週間陽性者数はピークの1/3に|Dr.井上のミャンマー新型コロナウィルス最新情報

【コラム】【新型コロナ】 2021127

私はやっと長い隔離生活が終了してYJMCに復帰しました。健診などで復帰を待っていた方々にはご迷惑をおかけしました。

では、先週の感染状況について分析しましょう。

陽性者数
先週のミャンマー全体の週間陽性者数は3,229人とピークだった11月23日の週の10,129人から1/3以下にまで減少しました。これは第2波が来て以来最低の数字です。特にヤンゴンの陽性者数は順調に減少してついに693人になりました。一日平均100人以下です。

これに対してマンダレーは906人とついにヤンゴンと逆転したばかりではなく、先々週の902人からむしろ少し増えています。マンダレー以外でもザガイン地域とカチン州という北部で急増しているので、ヤンゴン以外の陽性者数は2,536人とわずかしか減少していません。

ヤンゴンはどう見ても流行が終息気配なのですが、他の地区で患者が増えているとミャンマー全体の警戒解除が遅くなるのではないかと心配です。

死亡者数
先週の死亡者数は全国で103人です。保健スポーツ省が発表していたCOVID-19 situation Reoprtが12/25以降更新されなくなっているので全国での死亡者の分布が分かりませんが、ヤンゴン以外ではほとんど死者がでていなかったのが、全国に広がっているのではないかと思われます。日本は現在第3波の最中で週間死亡者数は500人ぐらいですが第2波が治まっていた10月頃は50人ぐらいでした。ミャンマーでも地方の感染が落ち着けばもう少し低いレベルまで低下するかもしれません。

治療中患者数
治療中患者数はついに13,000人をわずかに下回りましたが、新規陽性者数が減らないのでなかなか減りません。むしろ、今後北部の地区などで患者が増えた場合、もともと病院や医師数が少ない地域なので医療施設が足りなくならないか心配です。もしそうなると、その地区は危機的状況になるので、地方との交通はさらに厳しく制限されるかもしれません。ヤンゴンに関して言えば明らかに治療中患者数は減ってきており、施設には余裕があると思われます。

ミャンマーには、1月22日にインドからCOVIT-19ワクチン(アストラゼネカ社)が150万人分輸入され、到着しました。26日から国立病院の医療関係者から接種開始予定です。国内のコロナの治療は国立病院が一手に引き受けているので当然でしょう。

ミャンマーがどれぐらいのワクチンを予約しているかはわかりませんでしたが、予算もあるでしょうから、他の先進諸国のようにワクチンを何千万人分も購入予約をしているとは思えません。医療関係者の次は政治家と軍関係者の順番ではないでしょうか。150万人分というと一見多そうですが、1人2回接種するので75万人分となります。ミャンマーの人口5,000万人からみると、微々たる数です。国民全体に行き渡るだけ購入するかも不明です。また、話題のファイザー製ワクチンは-80℃を維持しなくてはならないので、ミャンマーは購入しないそうです。

これらのことから、当面は一般の日本人には割り当てがないと思われます。当分の間、ワクチンにはあまり過大な期待をしないでください。中国製のワクチンなら打てるなどの話があっても、基本的には乗らないほうが無難です。Facebookには偽物が出回ているので気をつけるようにという内容の記事もありました。もちろん自己責任で接種することは止めませんが、リスクが大きいと思われます。

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執筆者プロフィール

井上 聡(いのうえ そう)
Yangon Japan Medical Centre院長
慶応義塾大学医学部卒業。外科専門医、消化器内視鏡専門医。2018年7月よりヤンゴン在住。

Yangon Japan Medical Centre

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