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必要書類、PCR検査、隔離先とは?実録 ミャンマー入国レポート

ヤンゴン空港でのイミグレ。特に問題もなく、無事に通過。搭乗者全員の完了を待つため、45分ほどかかった

搭乗は席の後方から乗り込む形で、ビジネスクラスは最後に。機内ではマスクの常時着用が要求され、Health Declaration Sheetへの記入(個人情報を記す程度)を求められたが、それ以外は特段変わることもなく、安心してヤンゴン空港まで辿り着くことができた。

そこからは通常であれば、ボーディングブリッジ経由でイミグレまで行くが、この日はタラップを降り、バスに乗車し、イミグレに到着。検温後、ソーシャルディスタンスを保ちながら、入国審査を待ち、職員とのやりとりでは意外にも自主隔離証明書、コロナ陰性証明書はほとんどチェックされず、無事に通過。その後、搭乗者200名全員の入国審査が完了するまで45分ほど待機した。荷物の受け取りについては空港職員がターンテーブルからミャンマー人と日本人の荷物に仕分けして、移動用のバス近くまで運んでいてくれた。

快適だったホテルでの隔離
涙目になったPCR 検査

ミャンマー政府が用意していたバスに乗り、空港から3分ほどの「Myanmar Life Hotel」に到着。事前に情報を聞いていたため、心配することはほとんどなく、ファシリティやWiFi環境も一通り揃っていた。ただ、フロントからカギを渡されず、つまり「一歩も外に出るな」というメッセージだと理解した。食事は朝食が付いており、希望したものが部屋に運ばれる形で、昼夜についてはルームサービスが可能。ただ、それだけでは飽きてしまうため、ヤンゴンの日系レストランにオーダーし、デリバリーで空腹を満たすこともあった。デリバリーは直接部屋まで運べないため、受け渡しと代金の支払いはフロントで行われ、ホテルスタッフが部屋まで運んでくれる。フロントにはデポジットのような形で現金を渡し、それで支払いをしてもらっていた。外部との人間と接触することはできないが、フロントでは対応してもらえるため、仮に現金がない場合でも知人に持ってきてもらうといった手配は可能。

「今回一番きつかった」と武藤氏が話すのが、ミャンマーでのPCR検査。綿棒を鼻に入れられ、強烈な違和感が残る

滞在時、毎日朝晩の検温と記録があり、もし不調があればホテルに申し出るようにと言われていた。そして、結構こたえたのが、PCR検査。滞在7日後、ホテルまで来た移動式検査車両で行うこととなり、日本では唾液のみの検査だったが、ミャンマーでは鼻に綿棒を入れて粘膜をチェックする方法となった。1分ほどで終了したものの、想像以上に長い綿棒を鼻と喉の奥に突き刺す違和感はたまらず、検査を受けた人たちは無言で涙目に。2日後には陰性結果が判明、ちなみに検査代はミャンマー負担らしく請求されなかった。

隔離先のホテルは清潔で、特に問題はなかった。デリバリーもオーダーできるなど大きなストレスもなく過ごせた

その後、保健・スポーツ省が発行するコロナ陰性証明書と隔離証明書を受け取り、7月4日、久々に自宅のアパートに到着。実に73日ぶりの帰還となった。

7月8日現在、あと2日の自宅隔離を終えれば、ようやく仕事現場に復帰することができる。武藤氏は「さまざまなサポートをしていただいた在ミャンマー日本大使館、JICA職員の皆さま、特別に日本人の渡航を許可していただいたミャンマー政府ほか関係者の方々のご尽力がなければ実現できませんでした。この場をお借りし感謝を申し上げます」と締めくくった。

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大成建設 ヤンゴン支店
General Manager
武藤 太一[Mutoh Taichi]

[特別コラム]新型コロナウイルスの影響〜人材業
ミャンマー人の日本就業
技術、農業、介護といった分野で、ミャンマー人の日本就労をサポートするアルプス技研。ヤンゴンにとどまり、現場の最前線を知る眞下氏に話を聞いた。
 

アルプス技研
国際部副部長
兼ヤンゴン支店長
眞下 啓治
[Mashimo Keiji]

──新型コロナウイルスの影響を教えてください
 学校に人を集めることができないため、現在はオンラインで授業を実施しています。対面であれば、8ヵ月程で日本語(N3レベル)と、専門知識の習得ができましたが、オンライン授業の場合、さらに4ヵ月ほど必要になると予想しています。在留資格特定技能1号に関わる技能測定試験も含め、対応していく必要があります。

──授業は禁止されているのでしょうか
 ソーシャルディスタンスを守ることを条件に実施が可能です。しかし、それでは授業回数が増え、講師は何度も同じ指導をしなくてはいけないなど現実的ではありません。日々、効果的な方法を試行錯誤しながら教育しています。生徒たちのためにご尽力いただいている講師の方々には頭が下がるばかりです。

──ネット環境が整っていない生徒もいるのでは
 自宅が地方でネットがつながらない生徒たちは、ネットがつながる親戚の家に宿泊し授業を受けたり、ネットがつながるスポットまでバイクで毎日1時間移動している生徒もいます。彼らは「どうしても日本に行きたい」という強い想いを持って、授業に取り組んでいます。

──ほかに困っていることはありますか
 日本語試験は、NAT-TESTとJLPTがありますが、双方、今後の実施日程の見通しが立っていない状況です。また、ビザ取得に必要な技能測定試験も日本語試験同様に実施日程の見通しが立っておりません。これにともない、当初の計画通りには、来日できそうもないため、受け入れ側の日本の企業様と日々調整をしています。

──どういったスケジュールを想定していますか
 当初は10月の日本行きを想定していましたが、ビザの手続き期間を考えると、現状は厳しいでしょう。日本側の受け入れ態勢も渡航に関わってくることから、常に情報を把握し、判断していきます。

──日本側の顧客はどういった反応でしょうか
 外国人が来日できず、農業や介護といった分野で人手不足に拍車がかかり、需要は非常に高い状況です。日本のお客様で日々活躍している先輩社員の評価は高く、新たな人材を心待ちにしていただいております。

──ミャンマー人生徒たちの反応は
 来日の見通しが立たないということが、彼らを不安にさせています。日本語と技能測定試験の見通しが立っておりませんし、それに合格しないと日本には行けません。コロナ禍が長期化すれば、彼らも生活が厳しくなります。これらのことから弊社では生活面や日本語教育の支援を行っています。継続的な支援を行うことで、少しでも不安を解消できればと考えており、彼らが日本で活躍できる日が、一日でも早く来ることを望んでいます。