バックナンバーはコチラ

必要書類、PCR検査、隔離先とは?実録 ミャンマー入国レポート

「日本にいるミャンマー人を母国に返す」という目的のため、6月26日に成田~ヤンゴン間の特別救援便が実現した。その際、ミャンマー政府の厚意により、特別に設けられたのが日本人20名のミャンマー入国。ミャンマーに貢献するODA(政府開発援助)事業に関わる人材が対象となり、その一人がヤンゴン市内で新専門病院建設などを手がける大成建設・武藤GM。事前の手配からPCR検査、ヤンゴンでのホテル隔離など、その実情をあますことなくお伝えする。

怒涛の準備の日々
PCR 検査は30分で完了

武藤氏が4月23日に日本に戻り、早2ヵ月以上が過ぎていた。ミャンマーの現場への指示はリモートワークで対応していたが、必ずしもスムーズにいくわけはなく、なるべく早期に戻れることを願っていた。

開業停止かのように閑散としていた成田空港。アクセスも通常より不便なので、事前にチェックしてほしい

6月の段階でミャンマーの新型コロナウイルス感染状況は落ち着き、海外からの帰国者以外の感染はほぼゼロ。感染者のトレースも徹底されていたため、ヤンゴンで罹患する可能性は低いと判断していた。そうしたなか、6月13日、ふいに訪れた一報。大使館からの連絡を受けたJICAより、ODA関係者を対象にミャンマー人向け救援便の搭乗希望者を募る連絡が入る。大成建設からは5名のリストを提出し、3名の搭乗許可が下りた。当初、武藤氏は3名のリストには入っていなかったが、急きょ1名のキャンセルが出たことで追加要請し受諾された。

7月8日時点でミャンマーへの入国条件は、ビザの取得、渡航1週間前の自主隔離(要所属企業が発行する証明書)、搭乗72時間以内のPCR検査によるコロナ陰性証明書の取得、ミャンマー到着後1週間の指定施設隔離、1週間の自宅隔離。つまり日本で1週間、ミャンマーで2週間の隔離となる。

そこからは怒涛の日々となった。6月17日、航空券の手配を開始。今回は200席のうち180席がミャンマー人であり、ほぼ全員がエコノミークラスとなるため、残る日本人20名は自ずとビジネスクラスとなった。特別救援便のため、直接の予約ができず、まずは別の日程で航空券を予約。発券後、全日空(ANA)のヤンゴン支店にEチケットの情報を送り、日付変更の手続きをしてもらい、23日にEチケット4名分が個別に送られてきた。

PCR検査も受けなくてはならない。検査が可能な病院リストから東京の品川イーストクリニックを選択し、予約から約1週間後、同院で唾液のみの検体を提出。検査費は45,000円で、検査から支払いまでにかかった時間はわずか30分だった。検査結果は翌日という迅速対応で、仮に陽性の場合、保健所への報告と施設隔離となるらしい。

日本での退避中にビザを失効した人も多く、武藤氏以外の同僚3名は手続きが必要となった。22日に在京ミャンマー大使館に赴き、渡航の申請書を提出。翌23日、再び大使館を訪れ、ビザ付きのパスポートを受領、着いてから5分とかからない迅速対応だった。在京ミャンマー大使館、日本大使館、JICAとの間で情報が共有されており、スムーズな対応がありがたかった。続いて、渡航前1週間の自主隔離証明書を大成建設本社が発行し準備完了。渡航に必要なすべての書類は、出発2日前に用意することができた。

欠航が相次いでいる国際線。8月1日、6日にヤンゴン行きの救援便の運行が現在検討されている(7月9日現在)

出発日当日の6月26日、成田空港への交通機関では、リムジンバスが減便で、電車を選択。成田エクスプレスは早朝と夜のみ、京成スカイライナーも間引き運転で、利用した在来線車内は閑散としていた。空港に着くや明らかに普段とは違う、人のいないゴーストタウンさながらの様相。ANAのチェックインカウンターに向かい、自主隔離証明書やコロナ陰性証明書を提出、荷物を預け、搭乗券を発券してもらった。ラウンジでは食事がコロナ対策され、免税店のほとんどが閉まっていた。

Point 1 ビザ申請
必要書類は、パスポート、申請書(要写真)、インビテーションレター(ミャンマー側の法人で用意)、レコメンデーションレター(日本側の法人で用意)、登記簿謄本&納税証明書(ミャンマー側の法人のもの)、Eチケットの控え、パスポートのコピー。在京ミャンマー大使館での申請は代理でも可能で、基本的には迅速に対応してくれる。武藤氏が申請を行ったときは、特別ということもあり、申請から翌日に発給されたが、事前に確認するのが無難(通常は3営業日かかる)。申請代金は1人5,200円。

Point 2 PCR検査
東京、神奈川、埼玉、大阪、愛知などでは、いくつかの病院でPCR検査が可能。武藤氏は品川イーストクリニックにメールで予約(搭乗72時間前という条件のため検査日決定も要注意)。医院では申込書に記入、検温、説明を受け、検体として唾液(2cc)を提出。検査代45,000円を支払い(クレジットカード可)、検査から30分もかからず完了。陰性証明書の発行は翌日の18時以降だった。

Point 3 隔離先ホテル
隔離先には無料と有料があるが、無料は僧院といった場所のため、外国人としては現実的ではない。そのため有料を選択することとなり、武藤氏が宿泊していたのが「MyanmarLife Hotel」。一泊60ドルで、バスタブも用意され、WiFi環境もあるため、ファシリティに問題はまったくない。食事は朝食が付き、昼夜はルームサービスが可能。基本的に部屋から一歩も出ることは許されず、外部との接触はフロントが対応する。そのためデリバリーも可能であり、知人からモノを受け取ることもできる。