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日本からの注目度が急上昇! ミャンマー観光ビジネス

日本からのパッケージツアー集客は単月前年比300%増を記録 インバウンドとアウトバウンド
観光ビザ免除を受け、日本からのインバウンドが好調なH.I.S.。しかし、「そもそも日本のスタッフがミャンマーを知らない」といった事情から、さまざまな苦労があったと白川GM は語る。
成長の陰で仕掛けを続けてきた、同氏の戦略を明かしてもらった。

H.I.S. Myanmar Travels
General Manager
白川一城 Shirakawa Kazuki

全国5ヵ所でセミナー開催、スタッフの教育から着手

──新たにコースを2つ造成し、観光ビザ免除記念パンフレットを作ってもらいました。1つはバガンで気球観光ができるコース。気球が含まれているプランは、現在弊社しか提供していません。もう1つはヤンゴン、バゴー、ゴールデンロック観光で、価格は9万9800円で出しています。

──それはお得ですね
 今年はおかげさまで、パッケージツアー集客は前年比300%で進んでいます。ただ、昨年はロヒンギャ問題がありました。それでも2年前に比べてもプラス200%ほどなので、好調といえるでしょう。

──非常に好調ぶりがうかがえます 
 現在は比較的好調に推移していますが、ここに至るまでの道のりはすべてが順調というわけではありませんでした。私は2年半ほど前の着任当初より、日本へ帰るたびに役員にミャンマーのポテンシャルを訴え、さらに毎回スタッフを200人ほど集めて説明会をしてきました。なぜかというと、日本に正確な情報がないので、スタッフ自体がミャンマーをよく知らないのです。ミャンマーを知らなければ、お客様にセールスすることなんてできません。ですから、福岡、大阪、名古屋、東京、仙台、札幌などでスタッフ向けにセミナーを開催し、地図でミャンマーの場所を教えるところから始めてきました。多くのスタッフを巻き込むためには、そういった地道な活動が大事なんです。
 
──素晴らしいアクションだと思います
 さらにミャンマー観光のPRのため、「しらちゃんねる」という動画も作りました(Youtubeで「しらちゃんねる」で検索)。弊社のスタッフは、それを見て、そのままお客様に紹介すればいいんです。今はどこの支店でもタブレットを置いていますので、お客様は待ち時間に見てもらうことができます。ただ、そもそも観光ビザ免除になっても、抱えている問題は多くありますよ。まずヤンゴン自体のコンテンツが弱い。そして、他のASEANに比べて旅行代金が高額になってしまう傾向があります。

──日本からのインバウンドだけでは厳しいわけですね
 そのため日本以外からの流入も狙っています。実際、タイは10月に連休があり、そこからのオーダーが殺到しました。連休前、スタッフがタイに行き、相談会を開いたところ、2日間で10組ほどの予約が確定。タイの場合、100ドル以下のフライト代金でミャンマーに来られるのに、観光ビザで50ドルを支払う。旅行代金に占めるビザ代の割合が大きいわけです。しかし、それが免除となったことが追い風となったのは事実です。10月においては、タイ在住のお客様の受客は前年比約300%増を記録しました。

好調のインバウンドに対し厳しい実情のアウトバウンド

──ASEANも好調なのですね
 タイに住んでいる駐在員にもバガンはとても人気です。ただ、ヤンゴンを経由すると、どうしても金額が高くなってしまいます。そこで、バンコクのドンムアン空港からヤンゴンを経由せず、直接マンダレーに着き、そこから車でバガンに行くコースを作りました。いわば1フライトでバガンに行けるコースなのですが、これが当たりました。

──非常に動線の優れたプランだと思います
 そういったASEANからのニーズが高いこともわかりましたので、ベトナムでもミャンマーのプロモーションをやってくれるようお願いしました。11月よりベトナム支店全店舗で同じプロモーションを同時開催しています。

──可能性は非常にあります
 キーワードは直行便ということになると思います。ヤンゴンからの直行便は、主にマレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、カンボジアなのですが、それらの店舗にも可能性は十分にあると思っています。

──では、一方でミャンマーから日本へのアウトバウンドはどうでしょうか
 今回、日本人と韓国人が観光ビザ免除になりました。今度はミャンマー人に対するビザ緩和を願うばかりですが、現在、ミャンマーは通貨安の影響もあり、景気がいいとはいえず、正直アウトバウンドはあまり調子がよくありません。ローカルの旅行代理店も苦労していると聞いています。そのため、今は個人向けの旅行ではなく、社員旅行、インセンティブといった旅行に特化しているのが実情です。

──現在、注目されている技能実習生の送り出しについては
 オファーはすごく来ています。その場合、日本への片道となりますが、仮に数10名単位となればビジネスとしても大きな魅力です。
──今後のプランを教えてください
 来年、マンダレーに支店の開設を予定しています。コンセプトは“日本”。例えば畳の内装で、スタッフは着物を着用、お客様には着付け体験もできるような純和風なテイストにしようと考えています。日系旅行代理店の進出は初めてなので、日本行きを含めてポテンシャルは高いと見込んでいます。9月からアウトバウンドのライセンスも取れるようになったので、サービスを加速させていきたいですね。

▼ミャンマー人を北海道にアテンドした白川GM。初めて見る雪景色にいたく感動していたという。