ミャンマーにおける新型コロナウイルスの今後は|Dr.井上のミャンマー新型コロナウィルス最新情報

【コラム】【新型コロナ】 2021106

あけましておめでとうございます。

昨年12月は日本に帰国したため、皆さんにはご不便をおかけしました。
大晦日に帰緬しましたが、まだホテル隔離中です。クリニックに戻れるのは1月15日の予定でしたが、イギリスで急増している新型コロナ変異種のおかげで隔離期間が1週間延長になったため、22日からになりそうです。

さて、先週は年末のためお休みでしたので、新型コロナウイルスについて年末年始の状況を分析しましょう。

陽性者数
ミャンマー全国のコロナ陽性者数は、急激に減っています。12月21日の週は4,720人で12月28日の週は3,354人です。ピークだった11月23日の週は10,129人、11月30日の週は10,070人でしたから、およそ1/3に減っています。ヤンゴンで言えば、ピークは10月5日の週の8,217人だったのが先週は1,607人と1/5まで減っています。

これまでに何度も東京都と比較してきました。東京都は第2波が7月下旬に472人でピークとなり、8月下旬には200人程度まで下がったものの、その後それ以上は下がりませんでした。ヤンゴンと東京を比較することに何の根拠もないのですが、いったんある程度感染が広がってしまうと、その後は全症例をフォローすることができなくなって完全には抑えきれなくなるのではないかと思っています。現在のヤンゴンは毎日230人レベルですから、この程度で下げ止まるのかもしれないし、人口比率的にはもう少し下がるかもしれません。しかし年末年始で検査数がやや抑制されていたのでこれから少し増えるかもしれません。

なんともいえない状態ですが、ともかく現在の陽性者数が減ってきたのは喜ばしいことです。マンダレーも週2,134人まで増えたのが、1,500人、1,012人と減少しており、ピークは過ぎたようです。

死亡者数
週間死亡者数は155人、132人とあまり減っていませんが、それでも132人は9月下旬以降で最も少ない数です。死亡者数は陽性者数より2週間程度遅れるので、最近の陽性数の減少が反映されて、今後はさらに減少すると思われます。

治療中患者数
治療中患者数は14,000人台でそれほど減っていません。しかし全国の陽性者数に占めるヤンゴンの陽性者数の割合が12月25日頃から4割を切っていることを考えると、ヤンゴンの治療中患者数は7,000人ぐらいではないかと思われます。ピーク時の半分以下です。
ヤンゴン以外の場所では相対的に厳しい状況にあるのでしょうが、ヤンゴンに関しては医療崩壊の危機は過ぎたと言ってよいのではないでしょうか。

さて、第3波が襲っている日本は今、この3週間が勝負だと言っていたのに、それに負けて「医療崩壊の危機だ」「非常事態宣言が」などと言っています。現在のヨーロッパを見ると、一日に何万人もの陽性者が出て何百人もが亡くなっている国があり、ロックダウンを再開するところもあります。アメリカ、インド、ブラジルはそれ以上にひどい状態です。これらに比べると、日本はまだよい方に見えます。しかし、東南アジアで見てみると、台湾、シンガポールは封じ込めに成功しており、特にシンガポールは15日間も患者発生0と言っています。

日本の現状は、東南アジアではインドネシアに次いで失敗しているほうです。非常事態宣言がどの程度になるかわかりませんが、これまで日本はお願い(協力要請)だけでコロナと戦っているとも言われています。日本に帰国して驚きましたが、外を歩いている人の99%はマスクをつけています。電車の中ではほぼ100%です。マスクをつけていないと電車には乗れない雰囲気です。

ミャンマーにおける新型コロナウイルスの流行が今後どうなるかはわかりません。このまま落ち着いてくれるのか、第3波が来るのか予想すら出来ません。しかし、ミャンマーにとって有利な条件があります。それはミャンマーの冬は寒くないという点です。

世界中の第3波は「冬」と共にやって来ました。日本も通常ならばインフルエンザが流行する時期になって、コロナが再流行し始めました。コロナと気温の関係はまだはっきりしていませんが、一般的にインフルエンザや風邪は寒い時期に流行します。ミャンマーではこれからもあまり気温が下がりませんし、インフルエンザの流行期の雨季は過ぎてしまいました。
だから第3波は来ないとの予想は出来ませんが、新年ですから少しは明るい希望も述べておきたいと思います。

YJMCでは、年末の休業中に突然の発熱があったので診てもらいたいとの連絡がありました。休業中だったので検査もできないことをお伝えしました。大使館に相談したところ他院を紹介してくれましたが、その病院ではコロナではなさそうだが、念のため自己隔離していた方が望ましいとし、そのまま帰されたそうです。結局、後日改めてYJMCで診察を受けたところ、扁桃腺が腫れており、投薬治療の結果、現在では熱がなくなっています。

前回の記事でCOVID-19抗原キットの話を書きました。今回、日本から日本製の物を持ってきましたが、ミャンマーのFDAの認可を受けていないキットです。これを使用しての保険診療は出来ません。また、ローカルのクリニックで未認可の検査キットを使用して診察した施設が摘発されたそうです。

いろいろ大変そうですが、今年もよろしくお願いします。

執筆者プロフィール

井上 聡(いのうえ そう)
Yangon Japan Medical Centre院長
慶応義塾大学医学部卒業。外科専門医、消化器内視鏡専門医。2018年7月よりヤンゴン在住。

Yangon Japan Medical Centre

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