なるほど! 納得!! ミャンマー法 ~駐在弁護士が気になる“あれこれ”を解説~

【コラム】 2020701


コロナをめぐる会社運営上の問題解決

 現在のコロナ禍の影響でミャンマーに出張することができないため、現地法人の取締役会、株主総会を開催することができません。会社運営に必要な決議をするために、どのような方法がありますか。

 取締役会については、会社法上は開催頻度の定めはありませんが、合弁契約等で3ヵ月に1回や、少なくとも年に1回という形で定められている場合もあります。
 また、ミャンマー会社法上、年次株主総会は、①会社設立から18ヵ月以内に開催する必要があり、その後は、②毎暦年に少なくとも1回(但し、前回の年次株主総会から、15ヵ月以内)開催する必要があります。
 取締役や株主がミャンマーに行くことなしに株主総会、取締役会を開催する方法について、以下ご説明します。

取締役会について
Web会議、電話、テレビ電話等で開催する方法

 DICA のモデル定款を採用している場合、取締役会については、①直接出席による方法のほか、②電話による方法、③オーディオビジュアル機器による中継、④その他即時コミュニケーション手段によって、開催することができます。

書面決議の方法
 賛成する決議の内容を書面に記載し、決議において議決権を行使することができる全ての取締役が署名することにより、会社は取締役会を開催せずに取締役会決議を成立させることができます。
 また、取締役が遠隔地にいて一枚の議事録に署名することが難しい場合でも、持ち回り決議も可能とされており、同一フォームの複数の書面に署名することも可能で、最後の取締役が署名した時に決議が成立します。

株主総会について
Web会議、電話、テレビ電話等で開催する方法

 株主総会については、定款において、利用可能な技術的方法を使用して通知又は開催することを定めることができます。但し、会社は、全ての株主が参加でき、会議が適切に運営されることを常に確保しなくてはなりません。Web 会議、電話、テレビ電話等で株主総会を開催しようとする場合、このような定款の定めを置く必要があるといえます。

書面決議の方法
 通常の外資企業が該当する非公開会社においては、賛成する決議の内容を書面に記載し、決議において議決権を行使することができる全ての株主が署名することにより、会社は株主総会を開催せずに株主総会決議を成立させることができます。注意を要するのは、全会一致の場合のみ書面決議を成立させることができ、反対株主がいる場合には書面決議を行うことはできません。
 また、取締役会の場合と同様に、持ち回り決議も可能とされており、同一フォームの複数の書面に署名することも可能で、最後の株主が署名した時に決議が成立します。

(2020年7月号掲載)

甲斐史朗(かい ふみあき)
TMI総合法律事務所パートナー(ミャンマー担当)。日本国弁護士。早稲田大学政治経済学部政治学科、ロンドン大学LLM卒業。2015年1月よりヤンゴンオフィス駐在。

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弁護士約420名、弁理士約80名を擁する日本の五大法律事務所の一つ。
ミャンマーには、日本の法律事務所として最初に進出し、2012年にヤンゴンオフィスを開設。

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