【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉が日本・ミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

NPO法人 日本ミャンマー・カルチャーセンター 創設者 マへーマー 氏(P.3)

永杉 素晴らしい取り組みだと思います。JMCCは、日緬両国の橋渡しとなる交流事業だけでなく、クーデター後の現地での支援活動、そして日本で暮らすミャンマー人の「駆け込み寺」と表現されることもあるほど、さまざまなサポート活動を昼夜問わず行っています。ときには、深夜に困り果てたミャンマー人からの電話を受けることもあるそうです。
 私は、こうした活動に対しては国や、実習生の受け入れ企業から資金援助を募り、せめて金銭面の負担は軽減されるべきと考えているのですが、JMCCはその方法を選んでいません。

マヘーマー 活動資金は、法人が運営するミャンマー語教室でいただく月謝から捻出しています。
 以前、助成金も一度だけ申請してみました。資金を支援していただくことはとてもありがたいですし、大切です。しかし、書類作成の煩雑さなどで時間を取られ、活動が制限されることがありました。それよりも、私たちは困っている人の力になる活動をすることに大きな意味と喜びがあると思うのです。
 これは、私の原体験であるメイッティーラの僧院に大きく影響を受けたものです。僧院では、私の恩師である僧侶があらゆる立場の人々を受け入れ、困っている人を助けたり、私と同じように語学を教えてくれました。その経験があったから、私はこうして日本とのつながりを得ることができました。今度は私がJMCCを通じてそのような場所を作りたいと考えています。

▲普段のミャンマー語教室の様子

永杉 立派なお考えだと思います。では、最後になりますがこれをお読みいただいている日本人読者にお伝えしたいことはありますか。

マヘーマー そうですね。できればボランティアに来ていただけると助かります。JMCCは日本語学習中のミャンマー人にとって、日本人とお話をして生きた言葉に触れる場となっているのですが、そこに参加してくれる日本人ボランティアが少ないのです。ミャンマーに少しでも興味のある方に来てもらえるとありがたいです。そして、このような体験を通してミャンマーに関心を持ち、この国を知ることが持続的なミャンマー支援の原動力になると考えています。

永杉 それに加えて活動資金となるミャンマー語教室への入会者も、このインタビューをきっかけに少しでも増えるとうれしいですね。今後も日緬両国のためになる活動が順調に進むことを願っております。本日はお忙しい中ありがとうございました。

▲ご主人の落合さんとの出会いは生まれ育ったメイッティーラの僧院だった

永杉 豊 [Nagasugi Yutaka]

MJIホールディングス代表取締役
NPO法人ミャンマー国際支援機構代表理事

学生時代に起業、その後ロサンゼルス、上海、ヤンゴンに移住し現地法人を設立。米国ではおもにライセンス・商標コンサルタントとして多くのブランドを日本に紹介する。2013年6月より日本及びミャンマーで情報誌「MYANMAR JAPON」を発行、ミャンマーニュースサイト「MYANMAR JAPONオンライン」とともに両メディアの統括編集長を務める。UMFCCI(ミャンマー商工会議所連盟)、ヤンゴンロータリークラブに所属。著書に『ミャンマー危機 選択を迫られる日本』(扶桑社)。

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