外国人が日本で働く際に必要な「在留資格」の基礎知識
「技能実習」と「特定技能」の違いとは?(1)

海外人材を採用する際に必ずチェックしなければならないのが「在留資格」です。
ここでは、在留資格の基礎知識を解説するとともに、頻出ワードである「技能実習」と「特定技能」についても掘り下げていきます。

自国の雇用を守るための取り組み~日本の「在留資格」とは

ミャンマー人であれ、日本人であれ、外国で働く際には、何らかの制限を受けることがほとんどです。

例えば、日本人を含む外国人がミャンマーで働く場合、ミャンマーの経済特区法第74条、投資法第51条(c)により「熟練技術を必要としない職種では、外国人を雇用することはできず、ミャンマー国民のみを雇用しなければならない」と定められています。

お隣のタイはミャンマーより明確で、仏像の製造、タイ式マッサージなど、27業種において外国人の就労を禁止する法律があります。私達にとって身近な業種として挙げられるのは「散髪師、理容師または美容師」です。タイには日本人が経営する美容室が多数ありますが、実際にカットをしてくれるのがタイ人なのは、この法律によるものです。

形は違えど、各国ともこのような法律によって、国内の雇用を守る取り組みをしています。

一方、日本の場合は「在留資格」が、この役割の一端を担っています。

日本には現在、29種類の在留資格があり、当人の職業や滞在目的などによって与えられる資格が変わります。

例えば、野球やサッカーの外国人プレイヤーの場合は「興行」、学校で語学などを教える先生は「教育」の在留資格を有しており、この範囲内において日本国内での活動や就労が認められています。

出入国在留管理庁の資料より引用

これらの在留資格は時代に即して変更が加えられてきました。以前は今ほど数も多くなく、専門性の高いスキルを持つ外国人(高度人材)しか日本国内で働けない仕組みになっており、これにより日本人の雇用が守られていました。

しかし、日本では少子高齢化が進み、さまざまな職種において慢性的な人手不足に悩まされるようになりました。特に産業の現場を支える人材の確保は、喫緊の課題となっています。

そこで、注目を集めている在留資格が「技能実習」と「特定技能」です。
次ページでは、これら2つのワードについて説明します。

お気軽にお問い合わせください。