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ASEAN最注目、ミャンマーの一大産業集積地 ティラワ経済特区

順調に入居企業増、新型コロナウイルスの影響は?
ゾーンBからさらなる拡張

ヤンゴン市内の日系総合病院建設の噂は枚挙にいとまがなかったが、ここに来てようやく真実味を帯びてきている。群馬県の石井会が総合病院を建設しようと、着々と進行中。現地代表の星野氏に概要を話してもらった。。健康へのリスクヘッジという観点から、今回の特集が一助になれば幸いである。


Myanmar Japan Thilawa Development(MJTD)
President & CEO
清水禎彦 Shimizu Tomoyasu

開発は順調に進行中
新たなゾーンの工事も

─ 着実に入居企業が増えているイメージですが、現状はどうでしょうか
 現在の販売状況は、予約契約ベースで110社となり、日系が55社と約半数を占めます。ゾーンAは残り数区画を残すのみで、ゾーンBは1期、2期が開発され、工事中の3期が今夏に完成予定です。また、第4期は今年2月に着工しました。
 

─ ゾーンBが好調だと聞きます
 1~3期分で約7割ほどが予約で埋まりました。ゾーンB全体は、2022年頃の完売を見込んでおり、さらなる拡張が必要となります。すでに候補地での環境影響調査や設計など予備的な準備作業を進めており、株主の承認が得られれば次の乾季に着工したいと考えています。
 
─ 最近は何か問題がありますか
 土地収用が難しくなってきていることです。土地収用については、ミャンマー政府が行い、これをJICAさんが支援してくれていますが、年々難しくなってきている実情があります。ー労働力の確保については
 特に労働力の確保が難しいといった声は聞きません。1000人規模の工場も何社かありますが、短期間に労働力を確保している実績もあります。
 

─ 新型コロナウイルスの影響はありますか
 影響としては主に2つあります。1つ目はご入居企業への影響です。ご存知の通り、ほとんどの企業が原材料や設備を輸入に頼っています。中国からの調達は徐々に回復しているようですが、世界的に人やモノの移動規制が広がっており、生産活動への影響が懸念されます。2つ目はMJTDとしての販売への影響です。進出検討企業が現場に来れないと商談も進みません。そもそも新型コロナの収束が見通せず、投資を手控える動きが出ています。
 

─ 一刻も早く収束してもらいたいところです
 収束後にはリバウンドがあるものと期待しています。2003年のSARSのときには、チャイナプラスワンの動きからASEANへの生産移管が進みました。ミャンマーが有力な進出先候補の一つになることを期待しています。

▲区画整備中のゾーンB。第3期が今夏に完成し、2月からは第4期の工事が開始する

スーチー国家顧問が視察
地域住民との共生も課題

─ 最近のトレンドがあれば、教えてください。また、国や業種など傾向はありますか
 立て続けに2件、台湾企業の進出が決まりました。両方とも輸出型です。その内の1社は20ヘクタールの土地を購入していただき、アメリカ向けの輸出を計画しています。現在のご入居企業の国籍順で台湾は4番目ですが、まだまだ進出が増える気配があります。業種については偏りはなく、さまざまな企業から問い合わせを受けています。
 

─ MJTDとして設備投資の予定はありますか
 レンタル工場を増やしていく計画です。先ずは初期投資を抑えて進出したいというニーズもあり、問い合わせも増えています。SUZUKIさんがSKD(Semi Kno ck Down)からCKD(Complete Knock Down)に移行し、これまでは組み立てだけだったのが、今後は溶接と塗装もティラワSEZで行うことになります。レンタル工場は今後必要となる裾野産業の受け皿になるものです。
 

─ 昨年から今年にかけてのホットトピックを教えてください
 2019年の8月21日にアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相にティラワSEZをご視察いただきました。日本で行われたJETRO主催の投資フォーラムでも「ティラワはASEAN地域のなかでも成功している経済特区」だと評価していただきましたし、ティラワのご視察時にご本人から「期待しています」とお声がけいただきました。
 

─ まさに日緬の官民一体プロジェクトですね
 責任ある投資として地域住民との共生という重要なテーマもあります。日本が開発に関わるからには、やはり地域への貢献が重要であり、そのためにコミュニティ・リレーション・デパートメントという専門部署を設けて、ご入居企業の皆さんと協力し地域貢献活動に取り組んでいます。例えば、近隣の住民代表者との定期的な直接対話や、地元の小中学生による工場見学などです。
 
 また、昨年は地元の子ども達向けに日本語教室を開講し、開講式には丸山大使にもご臨席いただきました。また、ティラワコミュニティランという大会も開催し、近隣住民合わせて約1500人が参加。こうした活動を通じて地元の子ども達が日本に好印象を持ってもらえたら、日本にもなんらかのメリットがあると信じています。

▲拡張工事を行い、販売実績も好調なSUZUKI。CKDに移行し、ますますの成長が期待される

▲ティラワゾーンBで早い時期に建屋が完成し、注目されているRKヤンゴン(左)とJFEメランティ