バックナンバーはコチラ

ASEAN最注目、ミャンマーの一大産業集積地 ティラワ経済特区

トヨタが進出し、SUZUKIが現地調達化を加速させているミャンマーの一大産業集積地、ティラワ経済特区(SEZ)。ゾーンAはほぼ完売、ゾーンBの販売も好調で、同時に電力などのインフラも安定してきた。まだまだ高いポテンシャルを秘めているミャンマーの製造業。その中心に位置するティラワSEZ の実情と注目企業を紹介する。

トヨタの進出が話題に
発展を続ける経済特区

 本誌では、毎年のようにティラワ経済特区特集をお届けしているが、それは何よりも「反響が大きい」ため。日緬共同かつ日本の官民合わせた一大プロジェクトであり、「数年前は原っぱ」だったエリアが、今や立派な経済特区として成長している。開発・運営主体は、Myanmar Japan Thilawa Development、通称MJTDで2014年1月に設立。出資は、丸紅、住友商事、三菱商事、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の39%、JICA10%で日本側が49%、ミャンマー側が51%という構成となっている。
 

 昨年話題となったのは、なんといってもトヨタの進出。同社の新規工場建設は2007年のロシア以来13年ぶり、ASEANでは1996年のベトナム以来、実に24年ぶり。トヨタ本社からも大きな期待を背負い、2021年(予定)の稼働を目指す。同じ自動車メーカーという観点では、早くから現地生産に舵を切り、ミャンマーでの圧倒的なプレゼンスを獲得しているSUZUKIが、3月よりいわば組み立て作業であるSKD(Semi Knock Down)方式から溶接や塗装といった工程も現地化するCKD(Complete Knock Down)方式に切り替え、より迅速に、より幅広いミャンマーのニーズに応えていく。タイの成長を見ても明らかなように、自動車業界の発展そのものが国の成長に直結し、今後は裾野産業の拡大、さらなる現地調達化が期待される。そういう意味で、今回紹介しているトーノ精密が工作機械の射出成形機を導入し、プラスチック製品を製造するため、ニーズも含めたマーケット動向に注目したい。
 

 新型コロナウイルスによる影響は少なからずあるが、それは世界中で起こっていることであり、当地だけで解決できる問題ではないというのは誰もが理解するところ。であれば、過ぎ去った後の未来を見据え、実直に事業を続けていくしかない。次ページでMJTDの清水社長も語る通り、「振り戻しは来る」ということ。
 

 ミャンマーの製造業に懸かる期待は大きい。そして、その中心となるのは、ティラワ経済特区しかない。

▲実質完売状態のゾーンA。開発当初、ただの原っぱ状態だった当地が見事な経済特区に成長した

▲タンリン橋を超え、南下し、東側からアクセスするのが一般的。JICA による道路整備が完工し、往来もスムーズになったため、ヤンゴン市内からだと4~50分で行くことができる。ゾーンBはゾーンAのメインゲートから6、7分ほど。詳細はP30のティラワマップを参照してほしい