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ミャンマー生活最大の不安点 最新版!医療事情

2022年竣工予定、注目の医療施設
ミャンマー初 日系総合病院

ヤンゴン市内の日系総合病院建設の噂は枚挙にいとまがなかったが、ここに来てようやく真実味を帯びてきている。群馬県の石井会が総合病院を建設しようと、着々と進行中。現地代表の星野氏に概要を話してもらった。。健康へのリスクヘッジという観点から、今回の特集が一助になれば幸いである。

JICAの医療調査を担当
予定している医療とは?

 ヤンゴン在住の日本人が待ち望んでいるのが、やはり日系による総合病院だろう。高度医療という観点から、現在ヤンゴン市内のアローン地区に建設中で、国際協力機構(JICA)が協力する心臓・脳専門の新病院建設への期待が大きいものの、運営はあくまで国立病院であるヤンゴン総合病院。一方で、日系による医療機関として密かな注目を集めているのが、群馬県に本院を置く医療法人 石井会によって進められている総合病院の設置計画。2018年より、JICAから業務委託され、千代田化工建設とともに「ミャンマーYangon 民間病院事業準備調査(PPPインフラ事業)」を綿密に調査してきた実績があり、ミャンマー医療への知見は卓越している。
 

 総合病院の竣工は2022年頃になるとされ、現状予定している診療は、検診と内科、一般外科、整形外科、産科、形成外科、皮膚科など。前述したような心臓外科や脳外科においては、現状は未定。「そうした高度医療は、医師次第という実情がありまして、現在は明言できません。まずは日本人が安心して通える場所を作り、徐々に充実させていきたいと思います」と話すのは、ASEAN事業を任されている現地代表の星野正臣氏。

中規模サイズの敷地
日本人の医師は約10名

 予定している場所はインセイン通りで、敷地面積2.5エーカー、100床ほどで日本基準からすると小規模とのことだが、ミャンマーであれば中規模サイズ。医療機器においては、すでにミャンマーでも世界的なブランドを販売する代理店がいくつかあり、不足なく日本基準の医療サービスを提供できるという。
 

 こうしたハード面に加えて、同院が一般的なローカル病院と違うのは、ソフト面となる医師を含む医療従事者の存在。ミャンマーのみならずASEANにおいて、通常専門医はフリーランスのような形で従事するケースが多く、例えば週2回の2時間のみといった、いわば医師の都合で診察してもらうのが通常であり、急な対応が必要な場合、その医師の到着を待つか、別の医師にお願いするしかない。そうしたケースでは、当初の予定とはまったく異なる診察を受けることもあり、患者にとっては不安が募るばかり。さらに、そうしたフリーランスの医師は本来属している病院の通常勤務を終えた後に別の病院に向かうため、夕方からしか対応できないといった時間的制約もある。再三になるが、日中に不測の事態が起きれば……不安は尽きない。
 

 しかし、同院では日本の勤務スタイルを採用し、日本人の医師約10名が常勤、ミャンマー人医師も合わせて約20名体制を採る予定。看護師は日緬合わせて50名ほどで、さらに日本から放射線技師、助産師、医学療法士、理学療法士、薬剤師、検査技師、栄養士、臨床工学技士など各分野のスペシャリストを呼び、万全の布陣で臨む。また、気になる医療費においては、ミャンマーの他の私立病院と同等にする予定だという。
 

 星野代表は「そもそも外資の医療は規制業種ですし、ヤンゴンで病院を建てるのは決して容易ではありません。保健・スポーツ省や各省庁との調整が必要となる上、建設コスト自体も高額など、まだまだ課題が山積みですが、将来的には小児科や婦人科、眼科なども視野に入れてスタートできればいいと考えております」と展望を語った。