久保田徹氏がミャンマーのドキュメンタリー映像を公開

【政治】【社会】 2023821

 昨年ミャンマーでクーデターに抗議するデモ隊を撮影中に拘束され、11月17日に開放された映像作家の久保田徹氏が、ミャンマーのドキュメンタリー映像『Still a Journalist』を公開した。

 映像に登場するのは、女性ジャーナリストの「ダイレクターH」と「革命ビデオクリエーター」を名乗るピョーダナー氏。いずれも国境地帯に潜伏し、活動を続けている。

 隣国タイに逃れるためには川を渡らなければならない。ダイレクターHは、何度も失敗し行ったり来たりした当時について「動物のように無様な逃亡だった」と振り返った。ミャンマー軍に見つからないよう細心の注意を払い、鼻の先まで水に浸かりながらも撮影機材や映像データを頭に乗せて国境を越えた。その時の様子を語る彼女は、どこか誇らしげだった。

 ピョーダナー氏は、幼い頃から慕っていた弟を亡くした。ミャンマー軍との戦いに身を投じ、山中で命を落としたという。埋葬される様子が撮影された映像を受け取ったピョーダナー氏は、「真実をありのまま見せること。そのために僕は存在している」と語り、壮絶な思いを込めて弟の最期の姿も作品に使った。そして、「お前のことを尊敬している。敬礼する」とその死を悼んだ。

 2人は今も、タイ警察によって拘束される不安を抱えながら活動を続けている。

© Toru Kubota

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