日本ミャンマー協会がニューズウィークに圧力か、抗議受け記事を取り下げ

【国際】【政治】【社会】 2021719

 ニューズウィーク日本版が、日本ミャンマー協会からの抗議を受けてウェブサイトに掲載していた記事を取り下げたことが明らかになった。ジャーナリズム組織のNPO法人Tansaが伝えたもの。

 記事を執筆したのは日刊ベリタの永井浩氏。ニューズウィークは同氏の記事を転載していたが、読者に説明がないまま突然記事を取り下げた。永井氏は「検証と説明がないまま、記事を取り下げるのはジャーナリズムの自殺行為だ」とコメントした。

 今年2月の国軍によるクーデターでミャンマー情勢が悪化する中、ニューズウィークは永井氏のミャンマー関連記事に関心を持ち、デジタル版での転載を依頼。永井氏と日刊ベリタの大野和興編集長は、記事が日刊ベリタからの転載であると明記することを条件に了承し、4月5日にニューズウィークへの転載が始まった。

 しかし、5月31日にニューズウィークから永井氏に「ニューズウィークに日本ミャンマー協会から内容証明文書で抗議が届いた」と連絡が入った。文書の内容について詳しい説明が無いまま、6月4日に「日本ミャンマー協会からクレームが来ていた記事2本を、弁護士のアドバイスと、1週間の回答期限が近いことに伴い、今日取り下げさせていただいた」とのメールが編集担当から届いたという。

 取り下げた記事は以下の2本で、日本ミャンマー協会が何を問題視したかの詳細は、ニューズウィークは説明していない。
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 日本ミャンマー協会は「日刊ベリタ」にも記事の撤回と謝罪を要求する内容証明郵便を送付している。
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