国連安保理、ミャンマーのデモ弾圧を強く非難する議長声明を採択

【国際】 2021311

 国連の安全保障理事会は10日、ミャンマーにおける状況を非難する議長声明を全会一致で採択した。声明には抗議デモ参加者に対する暴力や武力の行使を「強く非難する」と明記し、拘束された人々の即時解放を求めた。国連の公式文書として残るため、2月に採択した報道声明よりも格上となる。安保理は、5日に開かれた非公開の緊急会合後、声明発表に向けて水面下で協議を続けていた。

 一方、今回の声明にも「クーデター」という言葉は使われなかった。議長声明の原案を作成したイギリスは、クーデターに対する非難のほか、さらなる措置を検討する警告文を盛り込むことを目指したが、中国やロシア、インドの反対により削除された。

 安保理は、2月にもアウン・サン・スー・チー氏らの拘束に「深い懸念」を表明する報道声明を発表したが、この時も「クーデター」という言葉は使われなかった。中国やロシアは依然としてミャンマー情勢を「内政問題」とみており、安保理の動きに対して慎重な姿勢を示している。

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