逢沢一郎衆議院議員がミャンマー国軍のクーデターを非難

【政治】 2021205

 日本・ミャンマー議員連盟会長の逢沢一郎衆議院議員が「クーデターは認められない」として、NLD幹部の解放や民主的政治プロセスが回復することを求めた。その上で、国軍の行為は容認できないが、日本が外交力を発揮し、日本が持つ政治的資産をミャンマーの今後に活かす方策を考えると表明した。

 1日早朝のミャンマー国軍によるクーデターに、大変大きな衝撃を受けています。今後の推移を見なければわかりませんが、まさに軍政に回帰してしまう危機的状況です。本当にショックです。暗澹たる気持ちです。

 国軍は速やかに拘束したアウン・サン・スー・チー国家顧問ら政府高官、また与党NLD幹部らを解放しなければなりません。国軍のクーデターは100%受け入れられない。直ちに民主的政治プロセスが回復することを求めます。

 ミャンマーは2011年に民政に移行。2015年総選挙でスー・チー氏率いるNLDが圧勝。国軍の協力もあって平和裏に政権交代が実現しました。選挙の結果を受け入れる国軍の態度は、この時は立派でした。その中心にいたのが、国軍出身のテイン・セイン大統領でした。私は何度もテイン・セイン大統領と会談しましたが、彼の指導力は、本当に絶大であったと思います。今このような事態になりテイン・セイン氏は何を思うか。聞いてみたいです。

 ミャンマーの民主化は大きな壁にぶつかりました。国民が気の毒に思えてなりません。国際社会から、再び孤立の道を歩むことになるのでしょうか。予断を許しません。

 大変気がかりなのは、今後の国軍と中国の関係です。中国はこの度の事態を静観しています。欧米が軍によるクーデターを非難し、制裁に踏み切ることになれば「軍政」は中国を頼る、ということになりかねない。中国はNLD政権との関係強化に躍起でしたが、軍政との関係強化で、ミャンマーへの支援は惜しまない、ということになる可能性は否定できません。

 日本はアウン・サン・スー・チー国家顧問率いるNLD政権と太い関係を築いてきました。日本の投資で進められてきたティラワ工業団地の成功は日本・ミャンマーの友好の象徴です。一方日本は、ここで詳しく語ることはあえて避けますが、ミャンマー国軍とも信頼関係を構築してきました。おそらく西側諸国では唯一のポジションだと思います。

 この日本が持つ政治的資産をミャンマーの今後に活かす方策を考えていきます。国軍の行為は容認できない。しかし非難するだけでは物事を良い方向に動かすことはできません。日本は外交力を発揮していかなくてはなりません。

 情報を収集し、国際社会とも連携して、冷静に果敢に対ミャンマー外交を進めます。

衆議院議員 あいさわ一郎

最新記事一覧