なるほど! 納得!! ミャンマー法 ~駐在弁護士が気になる“あれこれ”を解説~

【コラム】 20201111


商標の優先登録申請が10月1日に開始
10月1日から、ミャンマー知的財産庁のソフトオープンとして、新商標法での商標の優先登録の出願が始まりました。

Q. 今まで、ミャンマーで商標について何も登録等をしていないのですが、今、何をするべきですか?

旧制度での商標登録
 ミャンマーでは今まで商標法が無い状態でしたが、そのような状態の下でも、①文書などの登録を行うRegistration Officeで登録を行うとともに、②商標警告(Trademark Caution)と呼ばれる新聞広告を行う方法が採られていました。
 この①②の旧制度での登録を行っていたとしても、新商標法の下では、商標の登録としての効果は認められません。そのため、新商標法で改めて商標の出願をする必要があります。

先願主義の原則と優先登録制度
 同一の商標を、同一の商品サービスについて複数の人が出願した場合、先に出願した人が商標権を取得することができるのが原則です(先願主義)。通常の登録出願では、この先願主義が採られています。この通常の登録出願は2021年春以降にスタートすると言われており、この通常の登録出願では、早期に行った出願が優先します。
 しかしながら、このような早い者勝ちの原則のみでは、既に使われている商標を無関係の第三者が取得し、既にミャンマーで商標を使用している人が不利益を受け、商標に対する社会の信頼が損なわれる恐れがあります。
 そこで、旧制度での① Registration Officeで登録と②新聞広告の商標警告を行っていれば、このような通常の登録出願よりも優先する出願をすることができるとされています(既に商標を使用している証拠があれば優先出願の要件を充たしますが、旧制度での① Registration Officeで登録と②新聞広告の商標警告が最も有力な使用の証拠になります)。

これからも旧制度での登録を行い優先登録出願できるか。
 この旧制度での①Registration Officeで登録と②新聞広告の商標警告は、10月1日以降も行うことができ、優先登録の根拠として使うことができると言われています。そのため、商標権の取得を確実にしたい場合は、先に旧制度での①Registration Officeで登録と②新聞広告の商標警告を行った上で、優先登録の出願をすることが良いでしょう。

TMIは、ミャンマー知財庁指定の商標出願代理人に指定されました。
 TMIヤンゴンオフィスでは、これまでの旧制度下での多数の商標登録の取り扱い実績が認められ、ミャンマー知財庁から申請アカウントを付与された商標出願代理人に指定されました。
 また、TMI ヤンゴンオフィスは、著名な商標のランキング媒体であるWorld Trademark Review1000(WTR 1000)の2020年度版(ミャンマー部門)において、日本の法律事務所として唯一ランクインされております。
https://www.worldtrademarkreview.com/directories/wtr1000/rankings/myanmar
 ご質問等ございます場合は、どうぞお気軽に以下の弊所ミャンマー商標デスクまでお問い合わせください。
myanmar_ip@tmi.gr.jp

(2020年11月号掲載)

甲斐史朗(かい ふみあき)
TMI総合法律事務所パートナー(ミャンマー担当)。日本国弁護士。早稲田大学政治経済学部政治学科、ロンドン大学LLM卒業。2015年1月よりヤンゴンオフィス駐在。

TMI総合法律事務所
+95(0)1-255-047
弁護士約420名、弁理士約80名を擁する日本の五大法律事務所の一つ。
ミャンマーには、日本の法律事務所として最初に進出し、2012年にヤンゴンオフィスを開設。

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