【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉がミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

<2020年4月号>Natural Clay Co., Ltd. マウン・マウン・ジー マネージングダイレクター

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日緬両国の優秀なスタッフが揃うチーム
「成長」と「適材適所」が人材定着の鍵

今回のテーマ 日本と深い関係を持つタイル・瓦の製造販売企業

マウン・マウン・ジー [U Maung Maung Gyi]

Natural Clay Co., Ltd. Managing Director
1958年生まれ。87年より起業家としてのキャリアをスタート。87年にリサイクルペーパー会社、97年に段ボール製造会社JCBを立ち上げる。その後、2007年にNatural Clay Co., Ltd.を設立。粘土瓦の製造販売を手がけるほか、ミャンマーにおけるTOTOの輸入販売代理店として契約を結んでいる。

製造から輸入販売まで幅広い日本との関わり

永杉 今回は、瓦製品・タイルの製造や輸入販売などを手がけるNatural Clay社のマウン・マウン・ジー社長にお話を伺います。早速ですが、会社設立の経緯から教えてください。

マウン 私がビジネスの世界に飛び込んだのは1987年で、リサイクルペーパーに関する事業を立ち上げました。しかし、あまり利益が出なかったため、97年に段ボールの製造販売を行うJCBという会社を立ち上げました。これが軌道に乗り、中国や韓国、マレーシアなどに加え、日本ともビジネスをするようになったのです。
日本に出張した際、日本の建物を見て、屋根や外壁の美しさに目を奪われたのが、当社を立ち上げるきっかけになりました。この種の事業を興す上で、セラミックタイルとクレイタイル(粘土瓦)という選択肢がありましたが、その時点でミャンマーや東南アジア諸国において品質の高いクレイタイルを作れる会社が少なく、クレイタイルを中心に製造する会社を立ち上げようと決心したわけです。また、セラミックタイルに関しては、すでに日本製と中国製が大きなシェアを持っていたというのも理由の一つです。準備期間を経て、2007年にNatural Clay社を設立しました。

永杉 マウン社長は日本への渡航回数が100回以上にもおよぶほか、会社のあらゆる面において日本との関係が深いと聞いています。日本とのつながりを教えてください。

マウン お話しした通り、そもそも起業を思いついたのは日本製のタイルや瓦がきっかけです。創業当初から製造機械は日本製を導入していますし、人材に関しては日本人技術者が在籍し製造管理、ミャンマー人への指導にあたっています。また、ミャンマー人スタッフには日本のタイル工場で働いた経験を持つ人材を雇用するなど、日本との関係を挙げればキリがありません。さらに、2008年からはTOTOの販売代理店になっており、ミャンマー国内でTOTO製品を広めるお手伝いをしています。

永杉 確かに多岐に渡る関係がありますね。日本の企業や製品に対してどのような印象をお持ちですか。

マウン 工場で使う製品に関しては全体的な品質の高さはもとより、操作の簡単さなどユーザー目線に立ったプロダクトであるという印象です。また、壊れにくく古くなっても使用に耐えうる頑丈さなど、とてもポジティブなイメージもあります。
日系企業や日本人に対しては、知識や経験をビジネスパートナーにシェアしようとする気持ちや、お互いを深く理解し関係を長く続けようとする姿勢に好感を抱いています。こうした特性はビジネスを遂行する上でプラスに働くことですから、私は以前から日系企業と協業してきましたし、これからも優先してビジネスをしていきたいと考えています。

ISO9001に加えJISにも準拠
世界基準のものづくりを

永杉 今後どのような点を重視して経営を行っていくのか、というビジョンをお聞かせください。

マウン まずは自社製品の品質追求です。私どもはJIS規格に準拠した製品を提供しているほか、工場はISO9001:2015を取得しており、世界的な基準をクリアしています。今後もこれを維持・発展して質の高い製品を提供していきたいと考えています。また、製造現場からマーケティングに至るさまざまなセクションで働く人材の育成にも力を入れていきます。国内・海外への研修プログラムを充実させ、力をつけてもらいたい。このような取り組みで製品力と人材力を上げ、ゆくゆくはホールディングス化を目指しています。
また、社会貢献活動も推し進めたいですね。ミャンマーの自然を守るために当社では3年前からシャン州でチーク、ユーカリ、アボカドの木の植樹を行っています。実はこの緑化運動も日系企業と提携し、日本の技術が反映された堆肥を使っているんですよ。

永杉 CSR活動においても日系企業と協業されているのですね。日本人としては大変ありがたい思いです。さて、ビジョンの中に人材育成のお話がありました。ミャンマーには優秀な人材が多く揃っていますが、ジョブホッピングを繰り返す人が多く、スキルの蓄積が行われにくいと考えている日系企業の担当者が少なからずいます。この問題について考えをお聞かせください。

マウン 待遇改善や成長機会の提供などで、複合的に対処していくべきことだと思います。特に成長につながる研修制度の充実は会社にとっても従業員にとってもプラスに働くため、積極的に取り入れていくべきではないでしょうか。
そして、適材適所のチーム作りを行うことも大切。IQ(知能指数)、EQ(感情指数)、AQ(逆境指数)など人の能力を測る指数はありますが、これは本当に人それぞれです。個々をよく観察し、ベストな配置を行うことは長く働いてもらうために大変重要な要素であると認識しています。

永杉 最後に改めて日本とミャンマー両国についてお聞きします。長い歴史を有する両国は、今後どのような関係になれば良いと思いますか。

マウン ミャンマーはこれからの発展に向けて努力をしている最中です。一方、日本はすでに発展をした国。ミャンマーは古くから関係の深い日本の良いところを学び、時には真似をして発展をしていくべきです。それぞれが豊かになることで、両国の関係はより良くなっていくと思います。

永杉 会社設立から日本と歩みをともにしてくれている企業がミャンマーにあることは、日本人にとって大変勇気づけられることです。今後も日系企業とともに発展していくことをお祈りいたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。

永杉 豊[NAGASUGI YUTAKA]

MYANMAR JAPON CO., LTD. CEO
ミャンマー・日本で発行するビジネス情報誌「MJ Business」、英語・緬語ビジネス情報誌「MJ + plus」の発行人。ミャンマー初のTV&オンラインショピングサイト「TV SHOP」を運営。「美容・健康・快適生活」をコンセプトに、ハイブランドを中心とした商品ラインナップを展開している。ミャンマーの政財界や日本政府要人に豊富な人脈を持ち、ビジネス支援や投資アドバイスも務める。日本ブランドの展示・販売プロジェクト「The JAPAN BRAND」主宰者。一般社団法人日本ミャンマー友好協会副会長、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会特別委員、ヤンゴン和僑会会長、UMFCCI(ミャンマー商工会議所連盟)、ヤンゴンロータリークラブ所属。