【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉がミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

<第73回>UMG Group of Companies会長 マーラー・ウィン 氏

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インフラの次は農業に注目
日本企業との協業を積極的に行いたい

今回のテーマ  複合ビジネスを展開するミャンマーの有力企業

マーラー・ウィン氏 [Daw Marlar Win]

1975年ヤンゴン生まれ。
ダゴン大学で心理学を学び94年に卒業。98年に建設機器の輸入販売を手がけるUnited Machinery社を設立。その後UMG Group of Companies会長として経営の多角化を進める。現在は農業、鉱業、教育、食品、エンターテインメント、金融、不動産、ITなどの関連企業を有するミャンマー有数の企業へと成長させた。

建設機器分野の最大手
手厚いサービスが評判を呼ぶ

永杉 本日は建設機器をはじめ、農業、食品など幅広い分野でビジネスを展開するUMG Group of Companiesのマーラー・ウィン会長にお話をうかがいます。早速ですが、会社設立の経緯からお話しください。

ウィン 1998年7月に重機や発電機などを扱うUnited Machinery社を社員6名で立ち上げたのが始まりです。国の発展に欠かせないインフラ構築において、建設機器の面からサポートしたいという思いで設立しました。
 当初は中古機械の輸入販売を主に取扱い、その後世界各国のメーカー代理店としてビジネスをするようになりました。日本のメーカーだとFurukawa、AIRMAN、HITACHI、KAWASAKI、Isuzu、Nissanなど。他にも中国のSDLG、SHANTUI、TONLY、ロシアのKAMAZ、スウェーデンのVOLVO、SANDVIKなど、各国のメーカーを取り扱っています。現在ではミャンマーの建設機器分野において50%のシェアを獲得し、業界最大手となっています。

永杉 UMGはサービスがよいという評判を耳にします。会社としてどのような取り組みを行っていますか。

ウィン アフターサービスは当社が重視していることの一つです。建設機器の分野においてきめ細やかなサービスを提供するためには、できるだけお客様の近くにいることが大切。当社はサービス・セールスセンターの拡充に力を入れており、現在では国内の支店数が50ヵ所を超えるまでになりました。

農業からエンタメまで幅広く
人材の育成にも力を入れる

永杉 グループ企業として多岐にわたるビジネスを展開されています。こちらの現状について教えてください。

ウィン グループとしては9つの分野に進出しており、49社で構成されています。アジア8ヵ国にも支店があり、総社員数は3000名を超えています。事業の内訳は建設機器の輸入販売、農業機械・肥料の輸入販売、鉱業、教育、食品、エンターテインメント、金融、不動産、IT関連となっています。

永杉 展開する事業はどれも好調のようですが、グループとして今後どの分野に力を入れていくかという経営ビジョンはありますか。

ウィン さまざまな可能性がありますが、第一に挙げられるのは農業です。政府はインフラ構築の後は農業に力を入れることになると考えていますので、当社としてもこの分野で発展に尽力したいと思います。すでにチーク・ゴム・コーヒー・果物・野菜などに関連する事業を開始しており、将来的には農業機械や肥料を自社で製造販売することも視野に入れています。
 農業以外に注力していきたい分野として金融、食品、教育、エンタメが挙げられます。グループ企業のWin FinanceとWin Foodには投資を続け、新たなビジネス展開を準備中。教育分野では所有するUMG College Myanmarのプログラム充実に力を入れています。エンタメ分野では当社が手がけて人気スポットとなった「Yangon Waterboom」を2019年中にマンダレーにもオープンする予定です。

永杉 事業推進のため、多くの人材が必要になると思いますが、ミャンマーではジョブホッピングが慢性的な問題になっています。これに関してどのようにお考えですか。

ウィン 会社と社員の双方がWin-Winの関係になることが大切です。ミャンマーの労働者はスキルアップのしにくい会社で働き続けていると次第に不安を抱き、少しでも給料の高い会社に転職してしまう傾向があるように感じます。これでは会社としては人材が育たず、労働者もキャリア構築ができないという双方にとってデメリットしかない状況に陥ります。一時的なコストはかかりますが、会社側は社員の能力向上にリソースを割くべきです。当社では学生向けのインターンシッププログラムのほか、入社後のキャリアデベロップメントプログラムを8つの項目に分け、常に成長し続けられる環境を構築しています。学んだ人材は現在優秀な支店長などになっていて待遇もよくなりました。まさにWin-Winの状況です。このような環境づくりは会社として大切だと考えています。

変わらずに続く日本との絆
日系食品企業と連携したい

永杉 日本についてお聞きします。建設機械輸入などで、すでに多くの日系企業と取り引きがあるようですが、今後日系企業と協業したいビジネスはありますか。

ウィン まず挙げられるのは食品分野です。グループ企業のWin Foodでは安全なジャガイモ、とうもろこし、小麦粉などを使ったお菓子の製造販売に力を入れています。私は日本のお菓子が大好きなので、日本の食品会社と協力をして、より大きなビジネスを展開していきたいと考えています。日系企業と協業してみたいことはたくさんあります。

永杉 最後に日緬の関係についてお聞きします。歴史的に大変深い関係を持つ両国ですが、今後どのようになるとお考えでしょうか。

ウィン まず、日本がミャンマーの発展に古くから尽力してくれていることに感謝したいと思います。教育や公衆衛生からヤンゴンの渋滞問題まで、あらゆる分野において日本がサポートしてくれています。最近は国内問題で海外から厳しい目を向けられることもありますが、今年ラカイン州のガパリビーチで開催された「Rakhine State Investment Fair 2019」ではJICAとJETROがオーガナイザーに名を連ねるなど、日本は常に冷静に我々と向き合ってくれています。今後もこうした関係が続くことを願います。

永杉 農業からエンタメまで幅広く展開する御社の成長はミャンマーの発展に欠かせないものです。今後もビジネスが順調に発展することをお祈りします。本日はお忙しい中ありがとうございました。

永杉 豊[NAGASUGI YUTAKA]

MYANMAR JAPON CO., LTD. CEO
ミャンマー・日本・バンコクで発行するビジネス情報誌「MJ Business」、英語・緬語ビジネス情報誌「MJ + plus」の発行人。ミャンマーの政財界や日本政府要人に豊富な人脈を持ち、ビジネス支援や投資アドバイスも務める。日本ブランドの展示・販売プロジェクト「The JAPAN BRAND」主宰者。一般社団法人日本ミャンマー友好協会副会長、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会特別委員、ヤンゴン和僑会会長、UMFCCI(ミャンマー商工会議所連盟)、ヤンゴンロータリークラブ所属。