未来と創る子どもたちに夢と希望を持ち続けてもらいたい!

2つの柱で活動するMFCG

 いつも応援をありがとうございます!ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)は、現地での活動を継続しています。ミャンマーの僻地・無医村の16村を巡回し、「村の住民の“命”を育み、夢を繋ぐ!」ことを一緒に行っています。

 具体的には2つの柱で活動しています。

 1つ目は、手洗いの重要性や正しいうがいの方法、そして、歯磨きプロジェクト、さらにトイレ設置の必要性などの保健衛生啓蒙活動全般です。

 2つ目は、有機野菜を栽培するコミュニティガーデンを一緒に行い、「生きる・活きる」を目指しています。

 さらに現在は、いくつかの学校とも協働し、雨季に流行っているデング熱の予防方法や巻き爪にならない爪切りの方法を生徒たちに指導しています。

デング熱の予防方法
歌を作成してみんなで共有

 デング熱予防のため、MFCGのメンバーが「デング熱予防方法の歌」を作成し、一緒に歌い楽しみながら学んでもらっています。ご両親には、子どもたちから学んだ保健衛生の知識を共有し、さらには村民の皆さんが自分たちでデング熱が予防できるように自主的に行動して頂く… という工夫をしています。

 写真は活動している学校でのある日のデング熱の予防方法を歌っているときの風景です。この学校には5歳から16歳まで375人の生徒さんがいますが、今回はその中でも6歳~7歳の子どもを対象に実施しました。

©MFCG 

巻き爪は侮れない!
正しい切り方をレクチャー

 もう1つのテーマは「爪の正しい切り方」です。巻き爪になる子どもは多く、その結果、感染を引き起こしてしまいます。MFCGはパンフレットを作成し配布しました。その上で12のグループを作り、生徒一人一人が向き合い実際に爪を切っていきました。生徒たちに混じり、校長先生も子どもたちの爪を切って下さいました。

 そして、最後に「デング熱予防方法の歌」を皆で歌います。実は、参加した生徒の中には3日前までデング熱にかかり、ショック状態に陥り病院で治療を受けていた女の子がいました。彼女は、恐怖と苦しかった体験談を参加者にのみんなに話してくれました。

 デング熱は適切な治療方法が無く、特に子どもは重症化しやすいです。今後、彼女のようなことが起こらないために、我々の活動が活かされるよう努力をしてまいります。引き続きのご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2022年9月号掲載)

名知 仁子
[NACHI SATOKO]

1963年生まれ。1988年獨協医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院第一内科医局入局。2002年、国境なき医師団に入団し、同年タイ・メーソートの難民キャンプ、2004年からはミャンマー・ラカイン州で医療支援に携わる。また、2003年には外務省のODA 団体、ジャパン・プラットフォームの要請で、イラク戦争で難民となったクルド人の医療支援に参加。2008年には、サイクロンで被災したミャンマーのデルタ地域で緊急医療援助に参加する。同年、任意団体ミャンマークリニック菜園開設基金を設立し、2012年6月にNPO法人ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会(現MFCG)設立、現職。

ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会:https://mfcg.or.jp/