ミャンマー最新法令情報

 2021年12月8日~1月11日に発表された主な法令、通達等は以下の通りです。

・年次報告の懈怠を理由として、会社法に基づき、100社の会社の登録が抹消された旨の通知(12月9日、13日、17日、23日、1月11日)<累計で22回目、合計2,200社の登録が抹消されている>

・COVID-19に関する各種措置の1月31日までの延長(1月1日)

・MIC認可等を受けている企業による関税を支払う原材料、機械、設備の輸入に関し、MICの推薦状を取得せずに、直接、商業省貿易局に申請することにより輸入することができるとする通知(但し、アルコール、ビール、たばこ、車の製造組み立て、商業用砂糖は除外)(12月14日)

・ワクチン接種者については、到着後の隔離期間を7日に短縮することや、ワクチン接種証明書の提示や隔離期間等について規定する保健省のアナウンスメント(12月16日)※なお、ワクチン接種者(出国14日以上前)の隔離期間は、1月20日付で10日間に変更されている。

・パーム油の輸入推薦状の申請には、ヨウ素価を示すように求めるFDA のアナウンスメント(12月18日)

・消費者保護法等に基づき、植物油(料理油)について
①野菜油、料理油のみならず、原材料名(ココナッツ油等)を記載すること
②量及び正味量について記載することを要求する商業省のDirective(12月22日)

・集会の最大人数の制限について、宗教的行事及び社会的行事については、1月1日より、200人にまで緩和している(12月30日)

・社会保険事務所(SSB)に登録し、社会保険料を支払っている労働者の出産に際して、出産費用等の給付の充実を定めた労働省のDirective(1月5日)。
発表された概要については、以下の通り
(1) 社会保険事務所(SSB)に登録し、社会保険料を支払っている労働者の出産に際しては、以下の金額が支給される。この金額は、私立の病院、クリニックでの出産についても適用される。
 (a) 通常分娩の場合:MMK 300,000
 (b) 帝王切開の場合:MMK 550,000
 (c) 流産の場合:MMK 280,000
 (d) 鉗子又は吸引による分娩:MMK 320,000
 (e) 子宮外妊娠の場合MMK 500,000
(2) 以下の状況により必要となった医療費についても、支給される。- 糖尿病、高血圧、心臓病、血液疾患などの慢性疾患- 癒着胎盤及び大量出血等による出産による健康への影響- 輸血
(3) 公立病院での実際の分娩費用については、審査の上、支給される。(4) 上記金額の支給については、2021年12月1日から適用される。・以下の内容の連邦税法の改正(①所得税の累進税率の緩和、②SIMカードへの2万MMKの課税、③インターネットデータサービスへの15%の課税等を規定)が行われている(1月6日)

・以下の法律について、従前は英語版のみであったが、法律翻訳委員会法に基づいてミャンマー語版が交付され、英語版と同等の効力を有するとされている(1月11日)
(1) 陸上税関法(The Land Customs Act)
(2)訴訟法定代表者法(The Legal RepresentativesSuits Act)
(3) 仲裁法(The Arbitration (Protocol and Convention) Act)

※現政権の発表内容をお伝えするものであり、弊所及び当職らの評価を含むものではありません。
※日付については、原則として公表日を記載しておりますが、現下の状況に鑑み、数日の誤差が発生する場合があります。

(2022年2月号掲載)

甲斐史朗(かい ふみあき)
TMI総合法律事務所パートナー(ミャンマー担当)。日本国弁護士。早稲田大学政治経済学部政治学科、ロンドン大学LLM卒業。2015年1月よりヤンゴンオフィス駐在。