東京でのセミナー

 日本に1か月ほど一時帰国している最中、11月12日、東京都大田区にて、ミャンマービジネス動向に関するリアルのセミナーを行いました。2月以降の時系列によるミャンマーの動き、法務、税務のアップデート、人材動向やリモートワークの方向性などについて、弁護士、税理士をはじめとするスピーカーからの発表とQ&Aといった形式で行いました。平日の長丁場にもかかわらず、多くの方に参加いただき、関心の高さがうかがい知れました。参加者のほとんどが、ミャンマーに進出中の事業者の方々で、みなさんやはり、現在のミャンマーの実情はどうなっているのか、今後どうなって行くのかといった動向にご興味をお持ちでした。

「ミャンマービジネス動向アップデートセミナー」。大田区民プラザにて。46名のご参加がありました

 ビジネス上の現在の一番の問題は、やはり為替の問題と銀行の引き出しや送金の問題です。ドルの取り扱いが非常に困難になっており、ミャンマーktでさえも引き出しが困難になっている状況。この解決が最も急がれるといえるでしょう。

 税務会計関連については、9月から税務署も稼働し始めており、タックスクリアランスが進み始めている状況をご説明しました。これまで滞っていた業務が少しずつ解消に向けて動いています。12月末には年度の申告もあります。2021年10月スタート期は、再び6か月のミニ事業年度となりますので、同時並行してキャッチアップしていきましょう。

 弁護士の講師の方からは、撤退手続きの詳細なご説明もありました。現在日系企業の動向において、撤退という事象については、日本におられる方々が想像しているほど多くない状況です。一時的な休業をされている会社もありますが、特に中小企業においては、政変後も、困難はありながらも頑張って操業されている事業者さんも多いといった印象です。

 当日は、弊事務所のミャンマーオフィスの朝の様子もご紹介しました。私のデスクは、日本に帰っているので空席ですが、椅子に掛けていたブランケットも、きちんとたたんで机の上に置かれており、お花に水もやってくれていました。朝の全員でのお掃除の後、ミーティング前でもみな着席して、しっかり業務に取り組んでいてくれている様子に安心いたしました。

 どの事業者さんも、リモート管理を行っている場面が多く、ご心配も尽きないと思います。思わぬコロナ過で発達したツールをしっかり活用して、チームワークを維持して業務を進めていきたいものですね。

 1月からの商用便の再開の情報も出ておりますし、前向きに進んでいければと切に願います。

(2021年12月号掲載)

執筆者プロフィール

若松裕子
Japan Outsourcing Service Co., Ltd.(原&アカウンティング・パートナーズ)ヤンゴン事務所長・税理士。
2014年よりミャンマー駐在。中小企業から上場企業、ミャンマー国内法人まで幅広く事業をサポート。趣味は坐禅。