「ミャンマー問題打開に全力を尽くす」
日本ミャンマー友好議連会長 あいさわ一郎氏

 今年2月1日ミャンマーで国軍によるクーデターが勃発。あれから8か月以上が経過。1000人を超える無辜の市民が国軍によって殺害されました。またアウン・サン・スー・チー国家顧問はじめ数千人ともいわれる多数の市民が不当に拘束されています。

 軍や警察から逃れる民主派市民や学生がタイ国境付近に押し寄せています。不服従運動が続きます。経済は停滞。WFP国連食糧計画によると一部地域では食糧不足が深刻で飢餓の恐れがあると。新型コロナウイルス感染が拡大しています。

 私は日本ミャンマー友好議連会長として2013年から毎年ミャンマーを訪問。アウン・サン・スー・チー顧問はじめ政府関係者と会談。ミャンマーの新しい国づくり、民主化を力いっぱい支援してきました。日本はじめ諸外国の企業がミャンマーに投資。貿易の伸びも著しく、ミャンマー経済は大きく成長。国民生活も豊かになりました。

 しかしクーデターで全てがぶち壊しです。このままでは国の発展は大きく遅れてしまう。国際社会との関係維持も困難になります。

 私たちが求めているのは国軍による暴力の停止。拘束している民主派の人たちの解放。そして国軍とNUG(国民統一政府)の話し合いによる民主路線への回帰です。

 日本は国軍にも民主派にも独自のパイプを持っています。今我々が行っている努力をこの紙面で開示は出来ませんが、丸山駐ミャンマー大使、ミャンマー国民和解日本政府代表の笹川陽平さんらの努力はもちろんのこと、政府与党一丸となってミャンマー問題の打開に当たらなければなりません。

 また日本はASEANの努力を支持し、協力しています。ミャンマー特使のエルワン・ブルネイ第2外相のミャンマー訪問を期待します。

 私自身も状況が整えばミャンマーを訪問したいと思います。会いたいのはテイン・セイン前大統領。旧知の方です。2011年民政移行後、軍出身の大統領として新しいミャンマーの国家建設に尽力されました。2015年には平和的にNLDに政権交代を実現した中心人物です。
今、彼が何を思うか。これからのミャンマーの政治について虚心坦懐に話し合うことが出来ればと思います。あらゆる可能性を追求します。

日本ミャンマー友好議連会長
あいさわ一郎

写真:TOP対談(2021年6月号)より