JETRO STREAM~日系企業動向、ミャンマーの新潮流を読み解く~

【コラム】 2020526


コロナ禍に対する経済対策の実施へ
 4月18日から招集されている連邦議会では、コロナ禍の感染予防策や経済対策の特別な予算措置に向けた議論が活発化しています。本稿では、日系企業あるいは地場のパートナー企業が取り急ぎ利用可能な経済対策を紹介します。

工場査察中のワーカー給与を40%補填
 労働・入国管理・人口省は4月28日、工場などでコロナ禍の感染予防対策が出来ているか否か、当局による査察で、休業を余儀なくされた社会保険加入者を対象(2020年1月の保険料を支払った従業員)に、2020年1月の給与をベースに2020年4月20日以降の休業期間中、操業までの給与の40%を補填する措置を発表。既に各タウンシップの社会保険事務所で企業からの申請を受け付けています。これにより、仮に休業期間中100%の給与保障を行った企業においては40%が還付されることになります。

許認可費用等の引き下げ
 各種の許認可手続きの費用も引き下げの措置が採られています。ミャンマー投資委員会(MIC)では4月20日から、外資、内資を問わず、投資申請費用を半額にしています。
商業省では、2020年9月30日まで、輸入ライセンス費用を従前の5万チャットから3万チャットに減額、計画・財務・工業省でも、2019年度(2019年10月~2020年10月)の輸出に課せられる前払い法人税2%を免除しています。

政策金利の引き下げ
 日本企業の多くは、日本本社あるいはシンガポールやタイなどの地域統括拠点から資金調達を行っているかと思いますが、政策金利の引き下げはパートナーであるミャンマー企業に裨益するものと考えらます。まずは、中央銀行は、断続的に政策金利を引き下げており、4月27日には従前の8.5%から7%に引き下げることを発表。これにより5月1日から貸出金利上限は10.0%(担保あり)、14.5%(担保なし、従前と同じ)、預金金利下限は5.0%となっています。

日本金融機関の資金繰り支援
 一方、日本の政府系金融機関、民間金融機関でも、海外進出日系企業向けの資金繰り対策の支援メニューを整備してきています。市場の冷え込み、需要減少などにより販売・輸出できない、部品・ 原材料供給を受けられず操業できないなど、何らかの形で経営に影響を受け、資金繰りが悪化する海外の日系企業が利用可能となっています。私にお問い合わせいただければ、支援メニューのご紹介と各金融機関にお繋ぎします。

(2020年6月号掲載)

田中一史(たなか かずふみ)
日本貿易振興機構(ジェトロ)ヤンゴン事務所長。主にアジア経済の調査や企業の海外展開支援業務を担当。海外勤務は、マニラ事務所調査ダイレクター、サンフランシスコ事務所北米広域調査員、バンコク事務所次長を歴任。2017年12月より現職。

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