【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!|日本語情報誌 ミャンマージャポン

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【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉がミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

<第38回>在ミャンマー日本国特命全権大使 樋口建史 氏


今回のテーマ 日本とミャンマー新政権の関係

ミャンマーの発展のため、日本は官民連携し、全面的に支援していく

樋口建史 氏[HIGUCHI TATESHI]

在ミャンマー日本国特命全権大使 1953年、愛媛県松山市生まれ。東京大学法学部卒業。1978年、警察庁に入庁。警察庁では薬物対策課長、刑事企画課長、生活安全局長を、警視庁では公安部外事第一課長、公安総務課長、副総監などを歴任。その間に1999年、和歌山県警察本部長、2005年、北海道警察本部長。英国ではCitizen's Advice Bureau を調査研究。ハーバード大学(日米プログラム)で客員研究員。2013年、第89代警視総監を最後に退官。2014年4月から現職。

すべての新閣僚と会談
ミャンマーとは深い信頼関係

永杉 公務ご多忙の折、本日は貴重なお時間を賜りありがとうございます。ミャンマー大使に着任されて2年余になりますが、日緬関係についてどのようにお考えでしょうか。

樋口 これは、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問にも直接申し上げていることですが、日本政府は、ミャンマーの安定と発展のために、官民の連携を図りながら、新政権を全面的に支援していきたいと考えています。
 日本とミャンマーは、長い交流の歴史の中で、国民レベルの交流は途絶えることなく続いてきました。特別の友好関係にあるように思います。ミャンマーが23年間に及んだ軍政から民政に移管されたのは5年前のことです。昨年11月8日、自由で公正な総選挙が見事実施されました。NLD が圧倒的な国民の支持を獲得し、今春、歴史的な意義を持つ新政権がスタートしたところです。

永杉 新政権に交代したことで、両国政府間の意思疎通等に何か支障は生じていないのでしょうか。

樋口 外務省・大使館のミャンマー専門家の長年にわたるたゆみない努力の賜物でもありますが、ミャンマーの朝野を問わず各界各分野の心ある人々との間に、揺るぎない信頼関係が醸成されています。その土台があったからこそ可能だったのですが、例えば、昨年11月の総選挙の前後から今年3月末の政権発足直前まで、NLD の政策立案チームの人達との間で、経済政策を中心に10回に及ぶ濃密な議論を重ねることもできました。新政権が発足した直後から、私自身ほぼ全ての閣僚と面談し、ミャンマーの発展に向けた日本の支援や投資について意見交換を行っております。その後も意見交換を深めてきており、今後は、具体的な提案を基にして、効果的・効率的に協力・支援を進めていく考えです。

永杉 日本企業の投資に対して、ミャンマー側からはどのような要望があるのでしょうか。一方、企業の側からは、新政権に対する不安や懸念の声も聞こえますが、どのようにお考えですか。

樋口 日本企業に対する信頼と期待は非常に大きいですね。ウィンウィンの関係を実現してくれるのは日本企業だと信頼しています。特に、真の雇用創出、技術移転、人材育成に対する思いが強いです。いずれにしましても、新政権は、「都市と地方のバランスのとれた発展を目指す。経済発展のためには外国投資が不可欠であり、投資環境の改善に注力する」方針を明確にしています。
 また、政権交代に伴う負の側面があるのではといった趣旨のお尋ねだと思います。新政権に対しては、期待が大きいだけにもどかしく感じるところもあろうかと思われますが、本格稼働するには相応の期間が必要だと思います。これまでの2ヶ月を振り返って見ますと、役所を再編成し各種の委員会を設置するなど、政権を安定的・効率的に運営していくためのフォーメーション整備を先行させてきたように思います。決して後戻りしている訳ではありません。いずれにしても始まったばかりです。これからですね。

基礎インフラの整備が不可欠
地方と都市の均衡がとれた発展を

永杉 ミャンマーが経済発展する上で電力や運輸インフラが不可欠だと思いますが、重要インフラの整備支援について、日本政府はどのように取り組んでいくのですか。

樋口 人口の7割が暮らす地方の農村部にあっては豊かな資源を活かして生産性向上を図りつつ、都市部では労働集約的な製造業を集積させ、雇用の拡大、所得の向上、人材の育成につなげていくことが重要です。その際、最も重要だと思われるのは電力部門の整備です。産業を誘致するためにも、しっかりした計画を早期に示す必要があります。
 また、地方と都市の経済発展の好循環を実現するためには、ミャンマー国内の運輸インフラの整備が急務です。基幹路線の鉄道や自動車道路や内航水運の整備に併せて、末端の村々の道路や橋の整備が課題となっています。運輸インフラは、新鮮な農産品と市場を結び付けるためにも、工業製品を市場に或いは消費者に届けるためにも必要ですが、特に村落道路については、保健医療や教育へのアクセスにも資するものです。いずれにしても、今後、電力、運輸、都市計画いずれの分野においても、ミャンマー政府の目指す方向に併せて、日本ならではの総合力を活かした具体的提案をしていきたいと考えています。

来年から新カリキュラムの教育
日本はハード以外も支援

永杉 教育カリキュラムや知的財産法など、日本が持つノウハウに関する支援はいかがでしょうか。

樋口 日本はハードのインフラ整備支援だけではなく、ミャンマーの経済発展に必要な開発計画策定や法制度整備などに関しても支援を行っています。ミャンマー政府の要請に応じて各担当省庁に派遣されているJICA 専門家は総勢53名です(2016年6月1日現在)。
 例えば、ミャンマーの知的財産権については1914年の著作権法があるだけですので、2013年以降、日本の特許庁を中心に技術協力を行い、昨年からはJICA 専門家を教育省(旧科学技術省)に派遣して、特許・意匠・商標・著作の知的財産4法の策定や知的財産庁設立に向けた支援を行っています。
 また、NLD 政権は基礎教育の拡充を最重要課題の一つに挙げ、学制改革や基礎教育行政の地方分権化など大規模な教育改革に着手しています。そのため、日本政府は2014年より、初等教育の新たなカリキュラムや教科書、指導書などの開発、教員養成教官などの人材育成を支援しており、来年からは新カリキュラムに則った教育活動が小学校1年生から始まる予定です。

ジャパン・ミャンマー・プエドー来年も開催
クールジャパンを売り込む

永杉 ミャンマーの若者たちは、韓流ドラマなどの影響で韓国の生活にあこがれを抱いています。韓国のような国を挙げての取組みと比べると、日本は後れを取っているように感じますが、日本の差別化をどう図っていくのでしょうか。

樋口 遅ればせながら、日本の民放各局やNHK もビジネスとして日本の映像コンテンツの売込みに取り組んでいます。官民ファンドであるクールジャパン機構等によるコンテンツ展開の取組みも功を奏して、1、2年すれば効果が出てくるのではないでしょうか。
 日本文化、特にポップカルチャーやコンテンツ発信のために、日本ミャンマー外交関係樹立60周年を記念して2014年12月に行われた「ジャパン・ミャンマー・プエドー」は、今年も開催され、来年も開催予定です。ミャンマーの人たちに日本への一層大きな親しみを感じていただき、これまで築かれてきた良好な両国関係を拡大深化させていく契機となること、そして、JM プエドーが恒例の伝統行事に育っていくことを心から願っています。

警視総監から日本大使に仕事しやすい環境をつくることがトップの責任

永杉 ところで、警察本部長や警視総監を歴任されていますが、警視総監時代にはどのような事件検挙がありましたか?

樋口 全国に特別指名手配されていたオウム真理教の平田信容疑者や菊地直子容疑者の検挙がありました。北海道や和歌山県では本部長を務めましたが、トップが情報収集したり取調べをしたりする訳ではありません。捜査のプロ、各分野のプロが仕事をやりやすい環境をどう整えるかが責任だと考えてきました。皆、人生の一番よい時期を、一日の一番よい時間帯を職場で過ごすのですから、その職場を、できる限り、生甲斐に満ちた快適なものにする責任があるように思います。大使館の仕事も同じです。世界が注目するミャンマーの大使になるとは思いませんでしたが、最善を尽くしたいと思っています。

永杉 本日は樋口大使閣下の熱のこもったお話しを賜りました。これからもミャンマーのため、そして日本のため存分の活躍をされますよう祈念しております。

永杉 豊[NAGASUGI YUTAKA]

MYANMAR JAPON CO., LTD. CEO
MYANMAR JAPON および英語・緬語情報誌MYANMAR JAPON +plus 発行人。日緬ビジネスに精通する経済ジャーナリストとして、ミャンマー政府の主要閣僚や来緬した日本の政府要人などと誌面で対談している。独自取材による多彩な情報を多視点で俯瞰、ミャンマーのビジネス支援や投資アドバイスも務める。ヤンゴン和僑会代表、一般社団法人日本ミャンマー友好協会副会長、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会特別委員。

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