【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!|日本語情報誌 ミャンマージャポン

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【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉がミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

<第26回>ミャンマー日本商工会議所会頭 井土 光夫 氏


今回のテーマ:変革期のミャンマー、日本企業はどうあるべきか


ミャンマー日本商工会議所(JCCM)会頭、三菱商事ミャンマー総代表
1959年生まれ、神奈川県出身。一橋大学商学部卒業後、三菱商事に入社。機械畑を歩む。1990年代から2度にわたりインドネシアでの駐在を経験するなど、アジアビジネスの最前線で活躍する。2012年にヤンゴン駐在事務所所長、2013年にミャンマー総代表。2015年4月、旧JCCY がJCCM に組織変更すると同時に会頭に就任した。

ミャンマー政府としっかり対話 「攻めの商工会議所」目指す

井土 まずは創刊2周年おめでとうございます。ミャンマーで初めて月刊の日本語情報誌として創刊され、いまや名実ともにナンバーワンと認知されましたね。

永杉 過分なお褒めの言葉を賜りまして恐縮です・・・。いや、本日はミャンマー日本商工会議所(JCCM)とミャンマーの三菱商事についてお話をお聞かせください(笑)。早速ですが、ヤンゴン日本人商工会議所(JCCY)はJCCM に生まれ変わりましたが、どのようなことを推進する予定ですか。

井土 ミャンマーの日本企業というと、昔は駐在員事務所が多かったのですが、今は実際にビジネスを展開する時期に来ています。商工会議所も以前は連絡会のような役割でしたが、これからは「攻めの商工会議所」にしようと思っています。企業がミャンマーで事業を展開するにあたって、何が問題でどう解決すべきなのか、ミャンマー政府にしっかり話をしていこうと。こうした情報は、会員全体でシェアしていきたいと思っています。

喫緊の課題は山積み 自動車政策、小売りの解禁

永杉 ミャンマー政府には何をどのように求めていくのですか?

井土 喫緊の課題はたくさんあるのですが、ひとつは自動車政策です。ミャンマーの自動車の95%が日本製で、三菱自工を始め、トヨタ、日産、マツダ、スズキなどがショールームを開設しています。こうした状況で、この国の自動車政策をどうするのか、という点に懸念を持っています。先般、ミャンマー商工会議所から「自動車政策について政府に提言したいので、日本政府とJCCM の協力をお願いしたい」という依頼がありました。検討会を作り、これから動くところです。基本的には中古車の輸入を絞り、新車中心の市場にしたうえで、将来的には国産の自動車を生産するという長期的なビジョンになるでしょう。
 ふたつ目は流通改革です。イオンなど小売企業が参入に積極的なのですが、この国では小売り・卸への外国企業の参入が認められていません。これを何とかしたいと思います。

永杉 現在、日本ミャンマー共同イニシアチブなどのスキームで日緬の対話が行われていますね。

井土 おっしゃる通り、いろんなツールがあります。大使館主導の共同イニシアチブでは、樋口建史大使とカン・ゾー計画・経済発展大臣との会合に我々も参加しています。そのほか、民間独自のいろいろな機会をとらえて、積極的に提言していきたいと思います。商業省のウィン・ミン大臣や副大臣はもともと民間人で、外資への市場開放に理解があります。自動車の輸入など様々な貿易手続きの簡素化にも積極的に応じて頂いています。
 市場開放の大きな流れがある一方で、実は国際基準からかけ離れた貿易手続きがあることも事実なのです。例えば、輸入の際に実額ではなく、政府が定めた独自の規定で関税がかかるようになっています。また現在、ミャンマー側はカン・ゾー大臣が主導していますが、(総選挙後に)政権が新しくなって閣僚が変わった場合、この仕組みをちゃんと引き継いでもらえるのか、という懸念があります。きちんと引き継いでもらうことができれば、その後も改革が進む可能性は大きいと思います。

2011年以降、会員企業が5倍に

 JCCM の前身となるJCCY は、1996年に設立。発足後しばらく会員企業数は数十社程度だったが、2011年の民政移管を機に急増。同年度の53社から、今年6月には247社まで増えている。
 組織は業種ごとに分かれており、建設部会が68社と多いほか、流通・サービス部会でも63社が加盟。ティラワ経済特区の立ち上げとともに、メーカーも増えている。活動エリアが広がることから、今年4月にJCCM に改編。役員の役割を明確化するなどの組織改革を実行している。

マンダレー空港、MRJ… ヤンゴン中央駅前には「丸の内」

永杉 次に、三菱商事のミャンマー事業のお話をお伺いします。昨年、日本の政府開発援助(ODA)案件を非常に多く受注したと聞いています。

井土 ミャンマー向けには5割以上を取っています。新興国で無償案件を手掛けることは、儲けるというよりも、自社のプレゼンスを高めて次の円借款案件や民間受注などにつなげるという意味合いが強いのです。赤字ではないですが、企業の社会的責任(CSR)活動のようなものです。

永杉 日立製作所と共同で鉄道の信号機施設を受注した件もありましたね。三菱リージョナルジェット(MRJ)の売り込みなどもされていますね。

井土 昨年7月にエア・マンダレーから受注しました。計10機を2018年から2機ずつ順次納入します。4月から日本航空系のJALUX と組んで、マンダレー国際空港の運営を始めました。エア・マンダレーはマンダレー空港を拠点にしています。同空港では、ターミナルなどは民間の力で整備するのですが、そのほかに日本政府と協力してジェット機が飛べるように管制機器などを整備しようとしています。
 また、この事務所(サクラタワー19階)の窓からも見えますが、ヤンゴン中央駅前に「丸の内プロジェクト」と我々が呼んでいる事業が進んでいます。東京駅前になぞらえているのですが、オフィスビルと高級コンドミニアムを作り、その中心にあるレンガ造りの鉄道省の旧庁舎は改装してペニンシュラホテルが入ります。600億円規模のプロジェクトで、年内に着工して3年半で完成します。

ミャンマーの将来性発信したい 日本企業は、もう一歩前に出よ

由緒正しき仏像に袈裟 シュエダゴンの歴史で初

永杉 それは大変夢のある話ですね。ところで、シュエダゴン・パゴダにトラックを寄付したとお聞きしました。

井土 よく聞いていただけました。実は一昨年、シュエダゴンの西門のエスカレータの取り替え工事を三菱電機と共同で受注しました。これは反響が非常に大きく、テイン・セイン大統領からも「三菱はいい仕事をした」とお褒めの言葉をいただきました。その後、ソニーと一緒に日本語と英語の音声ガイドを作り40台寄贈したところ、テレビ各局が朝昼晩と3日間も放映してくれたのですよ。当たり前ですが、シュエダゴンってすごいなと。新興国ではCSR を積極的に行う方針ですから、その次に三菱自工のピックアップトラック2台を寄贈することにしました。
 これも非常に喜ばれましてね。シュエダゴンの上には、一般公開されていないとても高貴な仏像11体が安置されているのです。その仏像に袈裟をかける儀式に誘われましたのでお引き受けしました。シュエダゴン2600年の歴史で初めて外国人が袈裟をかけたということでした。僕の前にはテイン ・セイン大統領が行ったそうです。

永杉 それは素晴らしい功徳を積まれましたね。ところで、NGO と組んで農業支援にも乗り出すということですが、それもCSRでしょうか。非資源部門の事業拡大という狙いもあるのですか。

井土 テイン・セイン大統領から3年前に、マンダレー空港を何とかしてくれという話があったのです。ただマンダレー活性化のためには空港だけではだめで、産業を誘致してくれとも言われました。そこで、ミャンマーは農業国なのですから、やはり農業の支援もやっていこうと。
 ミャンマーでの我々のビジネスのポイントは、「国内市場と取り込もう」ということで、食料品は一つのキーワードです。農業支援はビジネスにもつながります。三菱商事としては、積極的に投資をしていきますよ。 欧米の資本があまり入って来ない中で、日本企業は今、一歩前に出るべきです。規制やインフラを理由に消極的なことを言う人がいますが、すべて出来上がってから入ってもその時にはもうお呼びじゃないのです。JCCM が一致団結して、ミャンマーにはものすごい将来性があるというメッセージを伝えたいと思います。


MYANMAR JAPON CO., LTD. 代表
MYANMAR JAPON および英字情報誌MYANMAR JAPON+ plus 発行人。ミャンマービジネスジャーナリストとして、ビジネス・経済分野から文化、芸術まで政府閣僚や官公庁公表資料、独自取材による多彩な情報を多視点で俯瞰、マーケティング・リサーチやビジネスマッチング、ミャンマー法人設立など幅広くミャンマービジネスの進出支援、投資アドバイスを務める。ヤンゴン和僑会代表、一般社団法人日本ミャンマー友好協会副会長、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会特別委員。

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