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官民合わせた8,000億円支援がついに目に見える形に 2019年、動き出すODA

注意すべきは中国の動向
日系企業に期待すること

―淡水魚の養殖という事業には驚きました
 これはマンダレーを中心に乾燥地域において、農家が生計向上のためになる淡水魚の養殖を池や水田を利用してやっていただく活動です。比較的小規模ですが、すでに自分たちで稚魚を育て、広域で売り歩く人たちも出てきています。鯉やフナなどの繁殖能力の高い魚なので、生活水準が着実に上がるとして、マンダレー管区政府の首相にも評価されています。

―ライバルとなる中国についてはどう思いますか
 中国の“一帯一路”戦略は、ミャンマー政府にとっても非常にプレッシャーになっています。我々の事業と重なる部分も多分にあり、注意を払わないといけないですし、質だけでなく、より迅速な取り組みが必要になるでしょう。

―中国の強みはどういったところでしょうか
 スピードと価格面でしょうか。彼らは工事を担う業者を決めてからミャンマー政府に提案しますので、その点スピードが早いわけです。他方で、一般的に彼らの案件には川上のマスタープランにあたるプロセスが欠けています。我々としては「なぜこの案件が必要なのか」「インフラを運用面でどのように効果発現させていくのか」など、どの案件も極力スタンドアローンとせず、ストーリーのなかで説明できるように、ミャンマー政府とともにマスタープランを策定し進めてきています。また、品質や維持管理の面でも一定の優位性があると思っています。完成後に効率的な運用をするには、それなりの体制・組織が不可欠。そうした点からも日本は提案することができます。

―最後に日本の民間企業に期待することを教えてください
 ミャンマー企業との連携です。さらに発展した形として、合弁も視野に入れ、ミャンマーに拠点を持っていただきたいですし、さらに多くの投資をしていただくのが、日本とミャンマーにとってウィンウィンな関係につながると考えます。ミャンマー企業と連携し他国にも展開していただきたいし、そうした想いを持った企業にODA案件を受注してもらいたいと思います。

[日本政府のミャンマー支援]

三本柱とは?

①ヤンゴン市内の都市開発
②運輸セクターの整備充実
③電力セクターの整備充実

具体的な活動内容とは?

農業人材育成、農業機械化(写真1)、麻薬代替作物、保健インフラ整備(写真2)、日緬人材開発センター、知的財産保護、法整備支援、税関近代化、ティラワ経済特区の開発(写真3、4)、基幹通信網改善、淡水魚の養殖(写真5)、少数民族地域の道路建設、災害早期警報システム、郵便事業改革、基礎教育改革(写真6)、証券監督能力強化、バガン地域観光開発(写真7)、ヤンゴン配電網改善
※JICA以外の機関の実施含む

バゴー西部地域の灌漑開発。ときには作物の選定から販売網の拡大といった、川上から川下まで支援することもある

シャン州ラーショー総合病院整備計画。施設や機材の老朽化により、中核病院として機能しない病院が多く存在する

官民合わせた共同事業であり、最も注目されるティラワSEZ。発電所を有し、安定的な稼働を行っている

ヤンゴンとティラワSEZ を含むタンリン地区間を結ぶバゴー橋は2021年完成予定。重量トラックの走行が可能に

マンダレーほか乾燥地域で行っている鯉やフナなどの淡水魚の養殖。生活水準が着実に上がる事業として評価が高い

ミャンマーの専門家と協力し、初等教育での全教科のカリキュラム改訂を行った。21世紀型スキルの獲得を目指す

インフォメーションセンターや道案内の設置、廃棄物処理から給水などインフラを整備。世界遺産への登録も支援