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日本からの注目度が急上昇! ミャンマー観光ビジネス

旅行代理店の強みが生かされるミャンマー観光の実情 人気No.1の国内旅行とは?
20年以上に渡り、ミャンマーで旅行業を営んできたエーペックス。まだまだLCC や電車網が未発達のミャンマーにおいて、個人旅行は未だ困難が多く、旅行代理店のサービスへの需要は高い。
この地で観光事業をつぶさに見てきた中村GM に、国内旅行の実情を語ってもらった。

Myanmar Nara-Apex Travels & Tours
General Manager
中村英司 Nakamura Eiji

フライトが勝手に変更、絶えない道中のトラブル

──人気の観光スポットを教えてください
 バガンが圧倒的に一位です。全体の割合でいえば、100人中80人がバガンを選び、50人がインレー湖、30人がマンダレーといったイメージですね。

──旅行会社にお願いするメリットは、どういったことが挙げられますか
 仮に日本から来て、短時間で複数ヵ所を回るには、すべての動線が効率よくセットされている必要があります。国内線、車移動、ホテル選びといったところで無駄な時間を省かなければなりません。これらを個人で手配しても、アレンジすることは厳しいでしょう。仮にバガンだけならまだしもインレー湖、マンダレーも含めて短期間で回るのは難しいはずです。特にトラブルの多い国内線で苦労は尽きません。また、“逆回り”を手配できるのも旅行会社ならではの強みです。

──逆回りとは、どういうことでしょうか
 ヤンゴン、バガン、マンダレーの順番で回ることを、業界では“順回り”といいます。一方、マンダレー、バガン、ヤンゴンのことを逆回りというわけです。順回りでチケットを取れないケースがあり、そのときは逆回りを提案。一般的なルートではないので、チケットを取りやすくなるというメリットがあるんです。料金もほとんど変わりません。これは個人旅行では思いつかないアレンジでしょう。我々が手配をすれば、すべての場所に行くことができるわけです。勝手に変更されるフライトのトラブルにも対応します。

──フライトの勝手な変更とは
 例えば、マンダレーからヤンゴンへのフライトは、通常ヘイホー空港(インレー湖)で離発着をするのですが、もし「誰も乗らない」「誰も降りない」というときは、ヘイホー空港に着陸することなく、直接ヤンゴンに向かうんです。まるで路線バスですよ。こういったことは年に何度もありますし、それが個人旅行者であれば到着時に対応しづらいでしょうね。ほかにも国内の航空会社でオーバーブッキングが起きた場合、「別の会社に乗ってください」とされ、予定よりも早く出発させられることがあります。我々は、フライトが変更になると事前に情報を得ていますので、対応ができます。

──国内観光でのニーズの高まりやトレンドはありますか
 弊社はこの地で23年前から事業をやっておりますが、場所へのニーズはあまり変わらないです(笑)。バガン、インレー湖、マンダレーが不動の人気トップ3。今後もそれらの人気が続くとみています。ただ、少し変わりつつあるのが、「托鉢や仏教儀式に参加したい」「僧院学校に寄付したい」といったアクティビティに関すること。パゴダに行って写真を撮って終わりというのではなく、参加型アクティビティのニーズが高まっています。

──マニアックな旅についてはどうでしょうか。例えば、ユアガンのコーヒー畑に行きたいなど
 移動が困難になるので、1日の行程になります。そうなると、すべての場所を効率よく回ることはできません。インレー湖に2、3日滞在できなければ、ユアガンの山奥に行くことは不可能です。よって旅行会社としては、短期間で効率よいプランを優先しています。

交通事情が複雑だからこそ旅行代理店はコスト安に

──人気のプランを教えてください
 5泊7日でヤンゴン、バガン、インレー湖、マンダレーを回るタイプが一番売れています。また、個人旅行者は増えていますが、幸いにして、旅行会社のニーズも減ってはいないんです。それは前述したように個人だと効率よく回ることが厳しいからだと思います。

──在住者から見ても非常に効率がいいと思います。そこには托鉢なども含まれていますか
 5泊7日のプランに、バガンでの托鉢体験が入っています。日の出前に出発しなければなりませんが、100人規模の托鉢も経験できます。

──ほかに旅行会社に頼むメリットはありますか
 個人旅行よりも、確実にコストを抑えられます。この国では交通手段が複雑ですから、個人でオーダーすれば当然コストがかさみますので。

──ガイドはどういった人が付きますか
 弊社の規定で審査した経験豊かなスタッフです。日本語の能力をチェックし、ある程度までスキルが到達しない人は当然採用はしません。日本からの観光客の場合、ヤンゴン空港から最後までアテンドいたします。

──今後、何か新しいプランはありますか
 世界遺産となっているピィやビーチリゾート、パアンやモーラミャインも商品を作ったことはあるのですが、やはりバガン、インレー湖、マンダレーを超えるニーズはないんです。逆にいえば、これらが素晴らしすぎるということもあります。他国に比べて、旅費は高いのかもしれませんが、ご満足いただいているという自負は二十数年変わりません。ホスピタリティの高いホテルも清潔なレストランも増えていますし、かつては凸凹だった道路も整備されてきました。徐々にではありますが、この国が進歩しているのは確実ですので、もっと多くの方に観光を楽しんでいただきたいですね。

▼「まるで路線バス」と中村GM が評するプロペラ機。突発的なトラブルへの対応は、やはり旅行代理店が安心