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第3フェーズに突入した サービスアパート&コンドミニアム

価格の変遷、未来のマーケットを分析 ヤンゴンのレジデンス変遷

約20年間に渡り、ヤンゴンの住まいを見続けてきたマリーナレジデンス・高橋GM。
日系企業の進出にともない推移してきた価格や需要に、今後どういった変化が訪れるのか?
ヤンゴンの生き字引の言葉に注目してほしい。

レジデンスという概念はなくかつての住居は一軒家のみ

─ レジデンスの変遷を教えてください
 98年にサクラレジデンスとミカサホテル(Mercure Yangon)がオープンしました。続けて99年にマリーナレジデンスとザ・グランド ミヤタ、そして2000年にゴールデンヒルタワーができ、これが初期の大きな流れです。
 それまでは、レジデンスという概念自体がなく、ほとんどの日本人は一軒家に住んでいました。もちろん、ローカルアパートもありましたが、ジェネレーターが付いていないため、日本人が住める環境ではなかったです。ただ、一軒家は、不具合があっても迅速な対応はなく、家賃は1年間の前払い、途中解約もできず、家具も自ら揃えなければならないスケルトン状態での引き渡し。当時の苦労は想像を絶したと思います。それでいて、家賃は1ヵ月で3000ドル以上しました。
 08年頃に進出企業は増えましたが、レジデンス自体の数は変わらず、家賃は高騰化。11年の民政移管後、コンドミニアムなども建ち始めました。そして直近では、昨年ロッテホテルがオープンしましたね。たった6年ほどで、何もないところから、ここまで市場が成長したわけです。

─ サクラ、マリーナ、ゴールデンの存在が、日本人には影響が大きいと思います
 当時、月に一度は集まって情報共有などをしていました。確か、その頃の日本人会員は200人も満たない状況だったはず。今では信じられませんが、当時の会員名簿には、メンバーの住所まで記載されていました。それを見れば、どこに誰が住んでいるかが一目瞭然なんですよね(笑)。そして、ほとんどの方が3つのどれかに住んでいましたね。

─ 平均価格の推移を教えてください
 20年前は、まだまだ安くて1BRは1000ドル前後。2BRは1500~2000ドル、3BRは3000ドル前後。とにかくどこも集客に注力していたので、ほかも同じくらいでした。今よりはるかに安いですね。
 10年前の08年頃は、日系企業の進出とともに価格が上がりはじめ、1BRは2000~2500ドル、2BRは3000~3500ドル、3BRは4000ドル以上。そして、5~6年前になると競合も増えはじめましたが、昨年17年までがいわゆるバブル。価格は、1BRは4000~4500ドル、2BRは5000~6000ドル、3BRは6000ドル以上で、8000ドルといったこともありました。現在は、以前の価格に戻りつつあります。昨年から競合も建設されていますし、新しいレジデンスは魅力的でしょう。値段が下がる傾向はしばらく続くでしょうね。

─ ユーザーの変化はありますか
 昔の駐在員はほとんど年配の方ばかりでしたが、5、6年前からは若い層の家族連れが増えました。家族の場合、単身者以上に住居環境と設備を重視する傾向があり、一方単身者は賃料がポイントとなります。今年は日本人学校の生徒40名ほどが帰国したにも関わらず、入学したのが20数名。今年だけをみれば、家族層は意外に増えていないですね。とはいえ、アップグレード待ちの人もいるため、2BR、3BRは常に高い稼働率となっています。

─ 価格の下落傾向は影響が大きいでしょうか
 一概には言えません。というのは、賃料の下落にともない、ローカルのコンドミニアムに住んでいた日本人の居住者が増えるのではないかと予測しています。あまりいいとは言えないサービスに対し、賃料が高すぎるローカルのコンドミニアムも多いと思いますので。

─ 未来のヤンゴンマーケットはライバル同士の争いが激化しますか
 そうとも思っていません。というのは、ライバルはすでに決まっていて、すでに建設がスタートしています。仮に2020年以降に建設されるレジデンスがライバルになるかというと、読めないところがありますし、進出企業の傾向もわかりません。実際、約10年以上、工事を停止したシャングリラレジデンスのように、予測不能な未来から工期がズレ込んでいるプロジェクトもすでに多数あります。日系はスケジュール通りに開業するでしょうが、ローカルはほとんど止めている状態。つまり現在、建築中のレジデンス以外は、建てづらい状況になっているわけです。

─ 未来のマーケットを悲観していますか、それとも楽観していますか
 どちらとも言えないですね。我々としては、より品質を高めていくだけです。施設の充実、ユーザーの要望とアイデアをどんどん取り入れ、日々改善していきたいです。付加価値を上げることが使命。決して楽観はできませんが、悲観する必要もないでしょう。これまで築き上げたブランド力もありますから。