【TOP対談】ミャンマーの先輩に問う!

MYANMAR JAPON代表の永杉がミャンマーの第一線で活躍するリーダーと対談し、"現代ミャンマー"の実相に迫ります。

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第14回 ミャンマー祭り実行委員会 名誉会長 安倍 昭恵 氏

今回のテーマ:「ミャンマー祭り」とは?これからの両国の交流は

ミャンマー祭り実行委員会名誉会長、
NPO 法人メコン総合研究所名誉顧問

1962年東京都生まれ。87年安倍晋三氏(第90代、第96代内閣総理大臣)と結婚。ミャンマーには10回以上通い、学校(寺子屋)づくりのサポートを始めとし、積極的にボランティア活動に参画。2011年立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。

首相の縁からミャンマーに
大事なことは現場を見ること

永杉 本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴しましてありがとうございます。日本のファーストレディとして、また今秋も東京で開催される「ミャンマー祭り」実行委員会名誉会長として、HP や著書を拝見・拝読しましても多彩なご活躍に感銘を受けました。
まずはミャンマーとの出会いからお聞かせください。

安倍 2004年のアフリカ貧困視察(日本財団)に同行し、実際に現場を見たことで頭に思い描いていたものと現実との違いを強く感じました。何か私にできることはないかな、と思ったのが始まりです。ただアフリカは遠いので、身近なアジアでの活動を視野に入れました。

1998年頃から主人(安倍首相)は「アジアの子どもたちに学校をつくる議員の会」の活動を積極的に進め、党の議員連盟の人たちを率いてアジア各地に年1~ 2校を建設・開校していたため、私も活動の入り口は学校づくりだと思っていました。また85年、主人が外務大臣秘書官の頃に私も一緒にミャンマーを訪れました。今までの歴史観ではなく、アジアの未来を見据えていこうとする国の前向きな、あたたかい歓迎を受けたのです。この国の親日的かつ非常に日本人と近い感性もあって、共に感激し好印象を持ちました。

主人は以降も何度かミャンマーを訪れましたが、国と国の関係はあまり芳しくない時もあり、民間で活動を続けていく大切さを感じていました。また私は、アフリカでの活動に関わった際に「寄付を1円たりとも無駄にしてはいけない」ことを学びました。もし活動するなら、大切なお金がしっかり使われているのか、この目で確かめないといけません。初めはわからなくても、現場に足を運ぶことが大事です。自ら出向き、何が必要かどうかを見定め、本当に必要とされているならば支援しよう、と決めました。

リアルな国の姿を伝えたい
今年も東京で「ミャンマー祭り」

永杉 脈々と両国間の民間交流や支援が続いてきた理由や背景の1つがわかりました。その後、ミャンマーでの取り組みはいかがでしたか。
また、昨年秋には1日だけで約35,000人もの参加者を集めて大成功をおさめた「ミャンマー祭り」。その名誉会長に就任されたきっかけや、今年の開催にかける想いをお聞かせください。

安倍 周囲に「ミャンマーに行く」と言い続けたことで、ミャンマー関係者とつながりができました。そして現在のメコン総合研究所(※)の事務局長との出会いをきっかけに、マンダレーのいくつかの僧院を見て、1つの地域を定め学校づくりが始まりました。2006年から今まで名誉顧問として、これまでにお預かりした寄付で寺子屋(寺が運営する学校)小・中学校の建設を行い、それに伴う学校の物資支援なども地道に進めてきました。

祭りのきっかけは、活動を継続する中で近年、ミャンマー国の体制が大きく変わったことです。また、一方で、今までミャンマーに興味のなかった方たちが興味を持ち、ビジネスの機会を求めに来ています。ミャンマーに住んでもおられない方たちが急にミャンマーを語り出し、このままではミャンマーの間違った情報も氾濫するのではないかと危惧しました。今後トラブルが起こる可能性を考え、「リアルなミャンマーを日本の多くの人たちに正しく知ってもらいたい」と切に思ったのです。

国際交流の祭りは日本国内でも数多く行われていますが、ミャンマーが大好きな者として、今までの活動を踏まえた"ミャンマーを紹介する祭り"を開催してはどうかと考えました。また祭り以前にも、私たちはミャンマー関連のシンポジウムを手掛けており、両国の大使館とも親密な関係にあるため「今年はもっと大きくやろうよ」という私のひと言から始まってしまって(笑)。結果的に数多くの方々に集まって頂き好評でした。

成果の一例として、普段は反対勢力と呼ばれる人も一緒になって踊るなど、垣根なく楽しめるイベントとなったのがうれしかったです。今年は日本ミャンマー外交関係樹立60周年ですから、さらに多くの人にミャンマーの魅力を知って頂くために、昨年よりも大きな祭りを目指しています。ぜひ倍以上、10万人くらい来て頂きたいですね(笑)。

昨年秋、35,000人もの参加者を集めたミャンマーの祭典
活動の経緯、そして今年の「ミャンマー祭り」にかける想い――

日本人に共感できる国民性
ミャンマー人に学びたい心

永杉 なるほど、つまり言い出しっぺなんですね(笑)。祭りがきっかけになって大きな流れが生まれ、そして多くの日本人に知ってもらう。またミャンマー人同士もともに理解し合える、とても素晴らしいイベントです。
ところで、ミャンマー人に対して個人的な印象や感想はいかがですか。

安倍 とてもあたたかい人たちで、明るく前向きな印象です。また軍事政権時代の影響があるからか、過去のことをとやかく言わないといいますか、"未来を見ているよりは来世を見ている"感じがしました。日本人にとっては共感しやすい国民性ですね。
寺子屋に関わってきて、子どもたちが一生懸命勉強し、親や先生をとても大事にする、いじめもほとんど存在しない状況を見ると、まだまだ昔の日本のよさが残っていて、そこから私たちも学ぶところがあるのではないかと感じています。

両国の長い歴史を忘れず感謝と末永い関係づくりへ

永杉 よくわかります。私たちの若い時代にあった大切な忠誠心や真面目さは、今を生きるミャンマー人にとても共感するところがあります。
最後に、日本とミャンマーに関わりを持つ人たちに向けたメッセージをお願いします。

安倍 始めに関わりを持ったきっかけは主人ではありましたが、「なぜミャンマーか」と問われて思うのは、戦争でミャンマー国内だけで19万人も亡くなっている方たちに対する弔いの思いと、日本人が戦争中も戦後にも助けて頂いたことに対する恩返しになればという思いです。やっているというよりは、やらせて頂いているという感謝の気持ちですね。

あと、広告ばかりではないこのような日本語情報誌の存在は、住んでいる日本人にとって非常にありがたいことだと思います。日本とミャンマーはアジアの中でこれから重要になっていく2カ国で、さらなる関係構築に際しミャンマー在住の日本人は"日本人代表"とも受け取られます。

今後はミャンマー人のために英字版も創刊されると聞いています。日本のビジネスや生活情報の信頼できる発信源としても、ミャンマージャポンさんにはますます頑張って頂きたいです。

永杉 本日は思いもよらぬとても光栄なお言葉を賜り、心より感謝致します。本当にありがとうございました。これからも編集部およびスタッフ一同さらに気を引き締め前進して行きます。

 2014年10月18・19日(土・日)に東京・増上寺で開催される「ミャンマー祭り2014」。昨年に続き、駐日ミャンマー大使館・公益財団法人浄土宗ともいき財団・NPO 法人メコン総合研究所の3団体が主催。激動する現状のミャンマーを市民が身近に感じ、衣・食・文化・経済を紹介することで、ミャンマーの認知度を高め、両国の交流と発展に貢献できるよう盛大に行われる一大イベント。日本ミャンマー外交関係樹立60周年記念事業の一環

MYANMAR JAPON CO., LTD. CEO
ビジネス情報誌「MYANMAR JAPON BUSINESS」、「MJビジネスバンコク版」、ヤンゴン生活情報誌「ミャンジャポ!」など4誌の発行人。英語・緬語ビジネス情報誌「MYANMAR JAPON+plus」はミャンマー国際航空など3社の機内誌としても有名。日本ブランドの展示・販売プロジェクト「The JAPAN BRAND」ではTV番組を持つ。ミャンマーの政財界や日本政府要人に豊富な人脈を持ち、ビジネス支援や投資アドバイスも務める。 一般社団法人日本ミャンマー友好協会副会長、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会特別委員、WAOJE(旧和僑会)ヤンゴン代表。